簡単な笑い

芸人の頃の先輩が「簡単に出来るお笑いやから価値がない」と言っていた笑いのとり方がある。

まず1つ目は、先輩や目上の人をくさすボケ。

たとえば先輩に対して『お前』って呼べば、その先輩が優しければ『いや、俺先輩やで！』ってつっこんでくれるでしょう。

逆説の笑いですよね。みんなが思ってることの逆をやる、言ってはいけないことを言う、みたいなタイプのボケ。

生きてりゃ1度はこのタイプのボケは聞いた事あるでしょう。

1度どころか何回も聞いたことがあるボケ。

とくに何かを下にみる、腐すボケってのは特に簡単です。

目上の人にタメ口聞いたりとか。はっきり言っちゃうと芸人以外でも誰でも出来る簡単なボケです。

簡単なので、誰でもつっこめます。

で、言うたほうはボケた気になれる。
マジで簡単なボケです。

先輩は、そんなボケに価値ないからやるな。と言ってたみたいです。

その通りやなぁ。
このボケで誰も幸せになってない。

相手や物を下げるより、上げるボケの方がいいな。

例えば完全に滑った人がいて、みんなから『今のはないやろー！』って言われてる中、1人だけ『いやー、俺は好きやったけどなぁ』みたいなボケね。

嘘つけーというつっこみがくるでしょうけど、このボケによって誰も傷つかないし、滑った人も少し救われてますよね。

ほめて、かつ、誰も傷つかずに、そして面白い。

目指すべきはここだと思う。

脚本も、漫才も、トークも、芝居ですらそうだと思うのです。

まだまだ成長あるのみでございます。もっともっと高みを。