ハナシバ個人企画:「ディズニープリンセスと女性像」
話し手
きつね(京都外国語大学 メディアや政治に関心あり)
しおっち(立命館大学、本やエンタメと哲学に興味あり)
ゆうろ(高崎経済大学 社会学を勉強中)
しおっち:ディズニープリンセスお好きですか?ディズニープリンセスはアメリカのものだけど、日本とアメリカで違うアメリカには日本のプリンセスに加えてプリンセスが数名いる
アナとエルサは別枠なんですよ。
きつね:ディズニーって最近実写化してるよね。アニメ版のシンデレラや白雪姫を見た覚えがないけど、僕はアラジンは見ててジャスミンが好きだね。去年の夏に公開されて、これは見に行かねばと思ってる。
きつね:ところでだけど昨今、ディズニーは社会の文脈に繋がっていると思うんよね。
しおっち:ディズニーは夢を売っている仕事だよね。でも大人になったらそんなの幻想でおとぎ話の世界になる。
きつね:魔法じゃなくて気の持ちようで周りを変えられると伝えてくるのがすごいなと思うよね。
しおっち:魔法がかけられたシンデレラに出会って王子と出会う設定で、実はシンデレラは本当は「エラ」という名前、灰かぶりのエラとか死んだエラとか言われてる。そして、耐えられなくなって外に出ていったときに、魔法で助けられているプリンセスってあんまりいないんだよね。
ゆうろ:プリンセス関連で言うと、ジャスミンに魔法の力は何もかかっていない。実写版では国王の娘だし、賢いってのもあるよね。
しおっち:それなんだけどアニメの時に比べて、強い女性像が実写版において押し出されている気がする。
きつね:女性のイメージが強く打ち出されているのは良いことなんだけど、日本の社会は男性優位なところがある。ディズニー実写が公開されたとき、ポリコレを政治に持ち込むなという意見もあったんだよね。
しおっち:ぽりこれを政治に持ち込むなという意見なんだけど、ターゲットを絞ればよいと思う。幼少期にディズニー映画を見たが、大人向けで実写版もある。子どもに与える夢と大人に与える夢って違うじゃないですか。私にとって夢とは男女平等や自立した女性ということ。それを発信し続けてほしい。メディアの仕事はそれ。
きつね:政治や社会とコンテンツは不可分なもの。それに反発する世論はなんでかな。
しおっち:社会の背景があってこそ文化が生まれるので、そこに目を向けてほしい。
きつね:それこそ星野源と安倍首相のコラボは、首相が軽率だったと思う。
しおっち:首相に対して思うところがあるのは分かる。だが、その追及が星野源に行くのは訳がわからない。音楽の政治利用とか言い出したら、音楽が人の思想に影響を与えたらそれも政治利用じゃん。
きつね:星野源がかわいそう。巻き込まれ事故に遭ってる。
しおっち:良かれと思ってが裏目に出ちゃった感ある。
きつね:フランス革命と比較されて炎上したんだけど、お口アングリですよ。ついにはギロチンにかけろまで出てたんですよ。そこで思ったのは、フランス革命に関する考えが違うのではということ。民衆が王権を倒して民主主義は得たがその続きがある、テロリズムの語源となった恐怖政治だよね。
しおっち:国王をギロチンにかけたお祭りが独り歩きしてる
きつね:西側諸国は本当に正しいのか。チャーチルの言葉にもある通り、民主主義も絶対ではない。弾圧する側とされる側が逆転する怖さを想像しよう。
しおっち:ディズニープリンセスの立ち振る舞いと時代背景に関係はあるのか?と気になって調べたんですよ。すると、時代ごとで少しずつ変化していることに気づいたんです。日本語は性差が出やすい言語だが、セリフの語尾が変化していったり。じゃあ実写はどうなんだ?っていうのをアラジンでやってみたんです今回は。ジャスミンはアクティブなプリンセスとして描かれているけど、自分の役割や発する言葉を実写版のジャスミンは自覚していたと感じている。でもこの前のツイートで、最近のディズニープリンセスは強い女性像を押し付けられている感もあるという意見があった。進む道が明確にある人たちなんだよね。そう感じる人もいるのかな。
きつね:自分がなりたいようになることこそが、真にジェンダーロールから自由になる第一歩なのではと思う。医学部入試の件あったよね。
しおっち:私は実家が薬局なのもあって事情はちょっと分かるがやってはダメだろと思う。操作する前にそのサポートをするのがあなた方の仕事だろって。
きつね:驚いたのが、女性側からも医大の主張を擁護する意見があったこと。
しおっち:女性が自立するという女性像を押し付けられると、今の体制で幸せな女性は不快感しかない。
きつね:多様性を認めるっていうのは、カテゴリーをもうひとつ設けることであって、既得権益のパイを取るわけではない。
しおっち:いろんな人生の種類を増やすために今動いてるわけで、それを潰すのは意味がないよね。究極、女性は大学行かなくていいっていうところもあると思う。
きつね:大学院に対して日本人は冷たいですよね。
しおっち:田舎だと国公立至上主義がある。
きつね:私は大学に行かせてもらえるかもギリギリなラインだった。英語得意なら外で働けともいわれた。日本には自分が合わないなって。田舎特有の価値観がニガテだったのかもしれない。
しおっち:私も私大だけど、一応国公立受けてねって高校に言われてそういう感じなんだなって。合格実績って出るじゃないですか。私立は肩身が狭いよ。でも大阪に来て、国公立受けてないよっていうひと結構多くてカルチャーショックだった。選択を増やすという意味で、アラジンはそういう役割を担っているんじゃないかなというのが、この話のスタートでした。
きつね:男である以上、ジェンダーを考える時に男の主観が入ってしまう。どう気を付ければよいか聞きたい。
しおっち:朝井リョウさんっているでしょ。青春モノを書くのが上手だけど、女性のどろどろを書くのが本当に上手な方だなって。スペードの3っていう小説を読むと、なんで朝井リョウはここまで女性の気持ちを分かっているんだってなる。
しおっち:女性のゴーストライターでもいるの?という質問への答え。女性としてではなく、人間として考える。女性特有の気持ちもあるのかもしれないけど、自分と同じ立場だったらどう思うかじゃなくて、同じ状況に置かなくていいから。ちょっとの想像力が必要。
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