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「歌う人」藤井風

Rising Sun Rock Festival(RSRF)の風くんのライブから余韻が抜けきれない人が多い中で、久しぶりの長文のずっず砲。打診を受けたあと、RSRFのライブを奇跡の連続でYouTube生配信まで実施したチーム風の熱い物語、ファンなら感動するよね。ありがとう、チーム風!お盆の最中、風くんのカバーを含むお宝ライブが見れて幸せだった。

でも、「ファルセットの掠れ声」にまで感動したという内容のコメントには、違和感を覚えた。虫の音を聞きながら、会場で聞いたら、その場の空気間も相まってそういうこともあるかもしれないと思ったが、オンライン鑑賞でも、最後まであきらめない態度に、かすれ声で最後まで歌っている姿を見て、感動して涙がこぼれたとコメントしている人もいた。

でも、私は、風くんが『きらり』を歌っている最中、パニック状態だった。これは、あれか? まさか、わざとウィスパーボイスで歌っとんのか?
できるなら、そうであってくれ、と願った。しかし、彼が、Sorryと言ったのは確認できた。アーティスト自身が残念だと思ったパフォーマンス、これを感動したて、いうてええんか? これは、あかんじゃろ!

なぜなら藤井風は、プロの『歌う人』だから。

彼は、代打としてコロナ感染で出演できなかったアーティストの曲をたった2日足らずでピアノアレンジ、歌唱までマスターし多くを感動させるまでに仕上げた!自身もコロナに感染し、きっと本調子でないかもしれないのに、だからこそ欠場したアーティストの無念の気持ちを理解し、愛とリスペクト持ってステージにあがった。そして自分のオリジナル曲で最も高音が必要だけど、自分のファンばかりでない聴衆だったら一番知られているであろう「きらり」を選択し、逃げなかったし、最後まであきらめなかった。

それは、美談だ。でも、私はプロなら完璧に仕上げてほしかった。ペース配分も考えて、ソツなくこなすことができるものプロの仕事だ。

もちろん、シンガーは歌が上手けりゃええてもんじゃない。音程だけ正確な歌手に魅力はない。それがよければ、ボカロ聞いてればええ。我々が彼に惹かれてやまないのは、彼が醸し出す優しさや抜け感、自由感、生きていくうえで真に必要なことはなんのかをさりげなく教えてくれるメッセージに、一緒にもがいてくれてるいる姿勢に、我々は癒され、ええ気分になって、藤井風をぼっけー好きじゃー-と思うのだ。『藤井微風』を浴びたいのだ。ピアノは打楽器なのだ!と認識させてくれる迫力あるグルーブ感あふれる演奏。それにあの美しさ、あれほど色気がだた洩れている人を私は初めて見た、と神戸のライブを見たとき思った。とんでもない魅力の発光体だった。

でも、プロの歌う人は素人がわかるようなミスはしてはいかんし、歌った後、Sorryなんていうことを言うような事態になってはあかん。はける位置を間違えて連行されるのはかわいい、米子のライブ会場で、2回も米子のことイナゴていうのも笑える。それは、風くんの天才vs天然のGAP萌えのところじゃ。でも、ステージで高音を出すたびに、心配でドキドキしちゃうような歌い方はプロの「歌う人」は許されんのじゃないか?私は、少なくてもやめてくれと思う。

風くんの場合、あまりにも早くスターダムを駆け上がりすぎて、現在の立ち位置と必要とされる完成度に多少のGAPがあり、現在進行形なのは理解している。また、風くんが体力づくりや発声に時間をかけているのもわかる。誰よりも早く楽屋入りし、ランニングに縄跳び、発声練習を地道にやっていた。Instagramでは、楽屋に吸入器らしきものがあったし、喉にタオルをまいてるのに気づいた。コロナに感染したばうくんに、漢方薬を勧めたみたいだし、今回、コロナに感染し、もっと健康管理に気を付けようと考えているのも理解する。

果敢にチャレンジする姿勢が受け入れられ、今回はカバー曲の仕上がりが野心的で素晴らしかったから、彼の評判があがった。結果的には成功だ、SNSの登録者も2万人ほど増えたと聞いた。
でも、こんな失敗が美談として語られ許されるのも後、1、2年だろう。5年もすれば、風くんも30歳だ。中堅のミュージシャンだ。

ベテランのシンガーのなかには、ツアー中、声の負担を軽減するため筆談で会話する人もいると聞いた。そのくらい、プロのシンガーは最高のパフォーマンスを出すために神経を使っている。そのぎりぎりとした神経質な対応は、抜け感、ゆる感が魅力の藤井風には反対な内容かもしれん。でも、それだけ、ライブは厳しいてことじゃ。涼しい顔をして水の下では懸命に足を動かす水鳥のごとく、彼にはプロフェッショナルでいてほしい。

私はずっずさんが言っている今の仕込みは、世界進出への足掛かりになることかなと想像している。世界は、ライブでの歌唱の失敗に甘くないぜ。

風民にいいたい、ほんとうに推しを愛すなら、動機は愛の厳しい目と耳を持とう!
なぜなら、我々の推し、愛する藤井風は、世界のステージをめざす「歌う人になりたい」のだから。

藤井風の多くの歌は時代に消費されない。彼には、彼がそれを望むのであれば、長く長く、自分を大切に愛しながら進んでいってほしい。

PS. 奈良、和歌山のライブでは、声の調子がよさそうとのこと。安心した。。。


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