藤井風の東京五輪の記録映画音楽担当の発表を受けて
「めざましテレビ」が藤井風を取り上げると知り、念のため予約録画した早朝、Twitterとアプリのアラームがなった。眠い目をこすりながら見ると、『東京 2020オリンピック SIDE:A/SIDE:B』のメインテーマ曲を担当とあった!なるほど、TVのワイドショーに取り上げられるのは、このニュースであることを理解した。
覚醒後、ニュースをしっかり読み、予告編の動画を見た。
メインテーマ曲のタイトルは、『The sun and the moon』。光と影、勝利者と敗者のメタファー。Side Aはアスリート、Side Bは非アスリートを描く記録映画にふさわしいタイトルだ。
予告編で聞けたのは歌のさびの部分のみ。すべて英語であった。後で知ったが全編英語の初めてのオリジナル曲らしい。よく英語が聞き取れなかったが、ほかの方のネットのご意見を拝見し、自分でも聞き直したところ、公開部分は以下であろうと思う。
『勝ちや負けなどいっさいない』と歌い、『生と死』『良いこともと悪いこと』もすべて等しく受け止めようとする藤井風の支柱となるメッセージ、そのままだと思った。ぶれてないな。。どんな曲にも。
美しいメロディは教会で響く讃美歌やゴスペルのようで、後半で壮大に広がり、映画のサントラにふさわしい。『Higher Love』や『ガーデン』など、藤井風作のゴスペル調の曲は、なぜこんなにも美しく心に染みるのだろう。そして、『それでは、』と同様、クラシックの要素を多分にふくんでいることで、荘厳ささえも感じる。全部聞いてみたい、と心の底から思った。
しかし、この映画が、国のプロバガンダそのものので、同じく女流監督でナチの依頼で『オリンピア』というベルリンオリンピックの記録映画を撮ったレニ・リーフェンシュタールと河瀬直美監督を同一視するという意見があるらしい。藤井風は、それをクリーンにすることに利用されたとか、藤井風もプロバガンダに加担する人になってしまったとか。いわれているようだ。
だいたい、東京オリンピック自体、相当ケチがついたイベントだった。開催前のイベントロゴの盗作問題やら東京の猛暑によるマラソン開催地の移転問題、コロナのパンデミックによる1年延期、開催直前は関係者の女性蔑視発言、コロナ蔓延中のごり押しの開催、ネガティブなことを書けば枚挙にいとまがない。個人的には、開催式も閉会式も含め、試合もあまり見ていなかった。
これまで、徹底的にテレビの露出を控えてメディア&イメージ戦略をしてきたチーム風が、そういったネガティブ要素がありながら、この仕事のオファーを受けた背景はよくわからない。グローバルのイベントに携わり、全編英語の歌詞を提供したということは、世界進出にプラスになるとふんだのであろうか?しかし、今までのオリンピックの記録映画の記憶は私にはまったくない。長野オリンピックでさえ、誰が監督したのか、それこそ音楽を担当したのが、見当もつかない。この映画とのコラボが、少なくともグローバル進出のアドバンテージになるとは私には思えない。熱心な風民は映画館に足を運ぶと思うが、わたしはサントラだけにするかもしれない。
今回のことでアンチが増えたり、ネガティブな記事も増えるかもしれない。
しかし、私は前にも書いたが、それが彼自身の本質を変えるものでない限り気にしない。それでにわかファンが減っても、真の風民は同じ気持ちのままだと思う。
今は、『The sun and the moon』の全編公開が待ち遠しい。