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【紅茶とくらしの日記】マサラチャイと5年前の不妊治療に苦心している自分に言ってあげたいこと

自宅から割と近いところに大きな都営公園があり
そこのじゃぶじゃぶ池は広くてアスレチック性も高い
子どもが出来たら 家族でこういう所に遊びに行くのが小さな小さな夢だった

今年こそは息子クンとそこに行くのだよと息巻いて
新しい水着やら ラッシュガード やら 水陸両用のシューズとやらを買いそろえたのが過ぎた春・・

どうも新型コロナウイルスによる自粛生活が長くなったことで
自分の中で今年の夏こそは と、期待が高まってしまっていた気がする
政府は7月12日から8月22日まで 4回目の緊急事態宣言を出す方針がある と
ニュースで知ってしまった

都営公園の夢のじゃぶじゃぶ池は確実に閉鎖されてしまう


-2021年7月8日-


曇り空 ぽつぽつと雨がふったりやんだり 朝の風は少し冷やか

朝ごはんはいつも息子とふたりで食べる
夫は会社に着いてから食べる習慣がある
今日はバタートーストに茹で卵、ストロベリーヨーグルトで済ませた

歯が痛い と 不機嫌極まりない夫と
急かされてもマイペースな息子を見送り 一息ついた


朝の紅茶を淹れる ―
今日はマサラチャイを作る事にした

インドのアッサム地方にある小規模な茶生産者さんがブレンドしたチャイで
うちの紅茶ショップでずっとロングセラーで愛されている紅茶だ
ただ、数が少ないので殆どが店舗様向けの卸売りで毎度完売してしまう

チャイをたっぷりと飲みたいので
400mlも入る大きなマグカップを使う
実はこのマグカップは独身時代に元カレが私の1人暮らしの部屋に置いていったもので カップにコーヒーショップのロゴマークが凛々しく入っている



私は全くコーヒーを飲まない
彼は自分の存在をマーキングするために部屋に置いておきたかったのだろう
その彼とはすぐに別れたがマグカップだけが部屋に残った
よくよく見ると稀に見るその大きさは紅茶2杯分が余裕で入るからたっぷり飲みたい時に良さそうだと気づき 有り難く使わせて頂くことにした

まずはミルクをマグカップに200ml注いでおく
そして200mlのお水を手鍋に入れて
チャイの茶葉を 大さじ摺り切り2杯分 入れて 中火にかける

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普通のチャイは沸騰して茶葉を投入するがこれは茶葉のグレード(サイズ)が大きいのでお水の段階で入れておく
私は沸騰するまで鍋を覗くのが好きだ
鍋の周りから小さな泡がフツフツと沸いてきて 少しずつ鍋の中央まで泡が沸いてくる

しっかり沸騰した事を確認したら、蓋をして鍋を火からおろす
砂時計を使って3分計り、茶こしを使って紅茶液をマグカップに注いでいく
沢山の紅茶液を吸っている茶葉からゆっくりと垂れてくる紅茶液を出来るだけ最後までカップに移せるように丁寧に鍋を傾ける
鍋はふったりゆすったりしてはいけない 茶葉の雑味が出てしまうから

出来上がったチャイに少しだけメープルシロップを垂らしてコクを出した

パソコンに向き合いながらチャイを啜った
カルダモン、クローブ、シナモン、ローリエの風味がしっかりと効いた
最高の一杯だと躊躇なく自負した

紅茶で温まりながら
昨夜は息子がハサミを使ってライオンの家族を作っていた事を思い出した
折り紙にフリル状に切り込みを入れて
鉛筆で目や鼻、口を書いて『ライオンのおとうさんだよ~!つぎはおねえさんをつくっていくよ~』と先生の口調を真似していて微笑ましい気分だった

5年前の不妊治療に苦心している自分に言ってあげたい


『あなた、5年もすれば自分の子どもの小~さな成長にほくそ笑んでるわよ』 と

当時はとてもつらかった
保険が適用されない不妊治療で毎週毎週数万円ずつ治療費を払っていたし
仕事も治療のために休まざるを得なかった
自分で自分の身体に注射を打つも苦手だったし
なによりも『また失敗するかもしれない』という先の見えない気持ちを抱えていた

苦しかったけれど
何もせず諦めるよりずっと ずっとその後の後悔が少ないだろうという思いで
取り組んだ

奇跡的に子どもを授かったあとは
私の紅茶教室に通う数名の生徒様も 同じ悩みがある事を打ち明けてくれた
悩みに寄り添い、一緒に並走する気持ちで生徒様たちと時間を過ごした
流行りのウイルスが落ち着くまで紅茶教室はお休みとしているが
生徒様たちとは元気で過ごしているかと連絡を取り合っている

さて、と 現実にもどって
仕事のメールをチェックし、今日の段取りと見通しをつけた
集中して仕事を終わらせたら 今日は小説を少しでも読みたい
久しぶりに江國香織さんの『号泣する準備はできていた』を読もう
今日の様な雨模様にはぴったりだと思う


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