読むコント➎「天国には行けません」
「本当にすまん」
そう口にするのは中間颯太。
小さい頃から家が隣同士であり、男女の壁もなく今でも変わらず仲良くしている。
「いやいや、何がすまんのだ。」
「いや、その……」
しばらくの間の後、再び颯太は続けた。
「天国に、行けなくなった。」
あっ、そう…。
なんだ?深刻な悩みを抱えている可能性はある。
おおいにある。が、コイツのかぎってそんな事があるのかというとない。たぶん。
「おう…。そりゃまたどうして?」
「お、おれ、おれさ…」
泣きそうな顔、これは深刻な悩みを抱えている
パターンらしい。ちょっとでも思いつきで否定してしまったことを謝罪したい。
なぜGo To Heaven出来ないのかを聞こうか。
「生姜焼きにマヨネーズかけちまった
んだよ!!」
先月の夜ご飯を思い出そうとするくらい暇だった。訳の分からない人間のサンプルが今、目の前で頭を抱えている。
「はぁ、」
「え?反応薄くない?」
「いや、行けるだろ。」
「天国なめちゃいけないよ」
「ぜんぜんなめちゃいないけど」
生姜焼きにマヨネーズ。
確かに罪深くはある。あるけど、違う。行ける。
「この際だから言うわ。俺の罪。」
いいよ。言いかけたけれどグッと抑えた。
「セブンの前でファミチキ食べた!」
多分世界で一番コイツの言葉が視聴率を持たないと思う。というか、そう願う。
「行けるって。」
「ファミチキだよ?」
「行ける」
「他会社だよ?」
「行ける」
「店員と目があったよ?」
「行ける」
「俺、下着しか着てないよ?」
「行け……、ない。ないない行けないな。」
「だろ?」
それは真っ逆さまGo To Hellだわ。
「俺、今からセブンに謝りに行ってくる。」
意味ないと思うぜ。
それでも颯太は走って行った。洗濯したてみたいな下着をみにつけて。
まあ、Go To セブンってところ。
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読んで頂きありがとうございます。
我ながらしょうもないダジャレ。おじさんだなと高校生なりに思います。