「アドベンチャー・トラベル・ワールド・サミット(ATWS)」が北海道で開催
「アドベンチャー・トラベル・ワールド・サミット(ATWS)」が北海道で開催される。意義と課題について、専門家が新聞で語っている。以下、要点をピックアップする。
・北海道はアドベンチャー・トラベル(AT)の素材となる大自然や文化に恵まれているが、ATが人気の欧米にはあまり知られていない。彼らが「日本」から想像するのは「東京・京都・大阪。神社仏閣・芸者ガール・富士山」である。
・欧米ではフィールドまで車や飛行機で片道2〜3時間かかるが、道内では温泉街の周辺に湖・森があり、釣り・トレッキング・カヌーと1日で複数の体験ができる地域が多いことが特徴だ。
・北海道内だけで完結するのではなく、日本全体でツアーを企画する必要もある。例えば、道内でのスキーと沖縄でのダイビングをセットにする。道内の山と長野の北アルプスを巡る登山ツアーといった、南北に長い日本ならではのATを売り込む、持続可能な観光振興につなげたい。
・ATの旅行形態は少人数向けで、1人当たりの滞在日数を延ばすことを目指している。このため、目に見えてAT客であふれかえる状態にはならないと思うが、高額なお金を落とし、長期滞在してくれるような今まで呼びかけてこなかった客層が来る機会となる。
・魅力ある旅行商品には地域のガイドが重要になる。道内では1990年代に多くのガイド事業者が開業した。コロナ禍により、深刻なガイド不足になる可能性がある。
・まずは多くの地域住民がATを含めたアウトドアに親しむ機運を高めることが大切だ。アウトドアの裾野を広げることが重要となる。
・地域では既存の観光事業を継続させるために、公的機関のDMOなどが、廃業を考えている事業者から経営ノウハウや顧客とのつながりを引き継いで、次世代に移行していくことも考える必要がある。
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