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歌劇場合唱団員が語ります!ヨーロッパの音楽家、どんな活動してるの?
ヨーロッパの音楽家の仕事事情
私の住むヨーロッパの国。
音楽家はここでどのように活動しているのでしょうか?
この国には音楽大学があり、
音楽学生として国内外から学生が集まって来ています。
ここで勉強している学生、
そして外国の音大などを終了し
この国にやってきた音楽家の人々が
数多く活動しています。
働くための権利ですが、
ここはヨーロッパ連合に属する国なので、
ヨーロッパ連合の国々の人々は
連合に属している国であれば、どこでも
仕事に就く権利があります。
さて、
連合国以外から来ている人々の場合はどうでしょうか?
その方達は
就労ビザが必要になります。
その為には
色々な書類や有していなくてはならないスキルがあります。
それをクリアすると、
就労ビザが取得できます。
アーティストビザというものになりますが、
取得すると、自分の専門の芸術活動を行うことが出来ます。
このビザは一年ごとに更新しなくてはなりません。
そしてこちらでの実績が長くなると
永久ビザというような響きの良いビザが出ます
が、
永久であっても5年おきに更新する必要があり、
ここでまた審査を受けるのです。
このための書類はいろいろ多くあるので、
結構面倒です。が、
この前提があって、
芸術家として活動することができるようになります。
この国で活動している音楽家、
活動は、コンサート、音楽学校の教師、
プライベートの音楽レッスン、フェスティヴァルへの参加
歌劇場合唱団のエキストラ、
歌劇場オーケストラのエキストラ、
合唱団やアンサンブルの指導、等
これらがあります。
プライベートで活動しているオーケストラや劇場、合唱団も
あり、練習やコンサートの参加でギャラが出るので、
音楽家たちは
このようなパフォーマンスを多くこなし、
生計を立てています。
そのほかには国有の劇場の
オーディションに合格した
オーケストラ団員、合唱団員、
歌手ソリストはシーズン契約か
役での契約を取得することができます。
もちろんソリストはエージェントが必要なので
よいエージェントを見つける、ということが
仕事をとる上ではとても重要なことになります。
この街は芸術活動がとても盛んで、
大小数多くの劇場があり、
教会も多く、ここはミサの他にもコンサート会場としても利用されるなど
音楽家が毎日のように様々な形で活躍できる場所があります。
とはいえ、生活をするということになると、
やはり大変で、
この街を出て他の州や近隣の国へ演奏に行くこともあったりと、
かなりアクティブに行動しなくてはなりません。
こちらでは学生時代から仲間同士で色々な交流を持ち、
師や仲間を通して様々な活動の可能性に出会うことができます。
そこで、自分にできる方法で
実績を積み上げていくことができるのです。
オーディションなどもかなりの頻度で行われるので、
音楽家の皆さんはチャンスを求めて
色々な国を訪れています。
私も学生生活が終わる頃に、
毎週のように違う国を周り、
コンサート活動をしていました。
トランクを部屋に開いた状態で、
直ぐにまとめて次の旅行に出られるようにして生活していました。
ほぼホテル暮らし、というようなことが長くつづき、
子供の頃から引越しに慣れていた私には
なかなか楽しい生活ではありました。
そして、訪れた国で音楽家仲間に遭遇したり、
そこで知り合った音楽家が私の友人の友人だったり、
え、世界って狭い?!
という感覚を持ったくらいです。
こんな感じでフリーの音楽家は
活動しています!
コロナ禍が来る前あたりまでは
本当に色々な音楽の団体が
客演公演をする機会に恵まれていましたが、
コロナあたりから、
グッと機会が減ってしまいました。
少しずつは戻ってきていますが、
まだまだ回復していないのが現状です。
また一時期のような盛り上がりに
復帰してほしいと、
音楽家は皆心から願っています!!!