
舞台を混乱に導いた恐ろしい小道具とは!!
なぜ舞台での流血が中止になったのか?!
私の働くヨーロッパのオペラハウス
日々舞台にはびっくりするものが登場します。
朝劇場入りをすると
いくつものプラスチック容器に入れられた
真っ赤な液体が届けられているところでした。
ああ、来たな。。。
これはご察しの通り
舞台用の血
ドラマチックなオペラ作品
毎日のように舞台上では
どなたかが亡くなります。。。
もちろん演出上ではありますが。
有名なところでは
ロミオとジュリエット、
最後はあまりにも悲劇的です。
涙なしでは観られない内容です。
トスカ!
飛び降りて亡くなります。。。
蝶々夫人!
言わずもがな、心が壊れるほど哀しい最後
ジャンニスキッキ
初めから亡くなっている人が登場します。
オペラの花形
椿姫!!!
結核で亡くなります。
もう永遠に語れるほど
カルメン!
最後の最後での嫉妬に取り憑かれたドン ジョゼに刺されます。
オペラハウスでは 日々
多くの役が不幸な最後を遂げます。
そして
現代演出ではリアリティーのある包み隠さない
演出が多くなっており、
血 の出番が頻繁にやってきます。
勿論これは劇場用のフェイク ブラッドが使われてています。
もうこれは少し前の話になりますが、
なんとあるミュージカル作品の演出のおり、
合唱団員に一人一人、
血の入った手のひらの大きさもある
薄ーいプラスチックの袋が手渡されました。
なんでも
舞台上真っ赤にしたい!という演出で、
それはもう凄惨なシーンの演出でした。
毎回そのシーンを演じた後は
掃除がものすごく大変
衣装だって靴だって毎回真っ赤になります。
舞台さんも衣装さんも
洗濯、掃除の仕事が増えます。
まあそれは置いておいて、
プレミエの少し前に
いきなりこの血液
演出から外されるという旨が伝えられました。
なんと、クライマックスでのドラマチックなシーンでの
演出がなくなるというのは
いったい何が起こったのか?!
やはりあまりにも凄惨すぎる演出がショッキングすぎて
ボツになったのか?!
わかる、わかるよ!!
と、皆が考えを巡らせます。
が、真実はそうではなかったのです。
最終舞台練習の折、
一団員が、血液の入った袋を破裂させようと
ぎゅっと握りしめると、
袋には小さな穴が開いただけ。
しかし握り締めた圧力はかなり強く、
血液はピユーーーーっと噴水の如く
舞台上前方に開いているプロンプター様の居る穴に直撃し
こともあろうに、大切な楽譜を真っ赤に染めてしまったのでした。
「お前らああああ~何をやっとるんだああ?!!」
と、当時の大御所プロンプター様は怒り心頭に!!
毎晩公演の潤滑な進行のために大切な役目のある方のところに
こんな事あってはなりません!!!
そしてあっという間に
このアイディアはボツになったとのことでした。
効果のある演出が、思わぬアクシデントを招く!
ということもあるんですね。
しかし何が起こるかは試してみないとわからない。
今日はそんな舞台上での小道具アクシデントを
ご紹介しました!