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復活初日にぶっつけ本番とは!!
二週間の病欠から復活し、
久しぶりの午前中音楽練習に挑みました!
なんとこの日に限って、
公演に携わる2名の指揮者が
直々に合唱練習を振るという
私たちにとって本番さながらの大事な練習です。
私の声は練習開始5分ほどで
まだ全快していないことが明確になり、
今日はまだ夜本番を控えているので、
思いっきりレベルを30%ほどにさげ、
かるーく声を出すのみにしておきました。
幸い楽曲中の高音域、c3、 属に言うハイツェー
までは出すことができたので、
自分的には思った通りの回復状態だな、と
言うことで納得していました。
しかし、合唱仲間思ったより病欠が多く、
合唱の練習ホールも空席が目立っています。
その為、全体の響きは結構薄く、少し心許ない感じがしました。
けれど、
若手の指揮者、これから新演出の舞台練習が始まる
オペレッタ「チャールダーシュの女王」を受け持っているのですが、
とても音楽性があって、振り方が綺麗です。
音楽表現の希望もとても的確に指示してくれるので、
歌うのが楽しく、これからの舞台練習がとても楽しみだな!
と思いました。
次の指揮者はもう大御所のJ氏。
冗談を言いながら和やかに練習は進みますが、
妥協を許さず、ジョークも背後には
厳しい要求があります。
彼にかかると、私たちのような大きなグループもお手のもの。
的確な指導の下あっという間に全曲クリア
「じゃあまた夜に会おうね〜楽しみにしてるよ!」と、
J氏は指揮棒と分厚い楽譜を抱えて
急いで次のリハーサル室に去って行きました。
午前中の練習はなんとか無事に終了しましたが
問題はこれから!!
私にとっては今日の公演
かなりやばい
と言うのは
実は今夜の作品、
一度も演じたことが無い、
しかも舞台練習も全くしていなかった作品なのです
復帰後初日にいきなりストレスフルな試練が襲いかかってきました!!
しかし
舞台は待ってくれません。
マニュアル通り、今日は冷静にこなす決心をします。
私たちには全ての作品に演出ノートというものがあり、
そこに大まかな全体の動きやポジションが明記してあるんです。
そのほかに第二の演出カード、なんていうものがあるんです。
こちらがもうちょー大事。
メンバー全員がここにその作品の
個人のポジションや役目、パートナー、持っていなくてはならない小道
などの情報を
細かく記入しているのです。
ジャンプイン要員はその演出カードを頼りに
舞台をこなさなくてはなりません。
今夜の私のケースのように
全く演じたことがない、舞台練習もしたことがない
ということは入団直後には
結構頻繁に起きることですが、
もう60曲越えのレパートリーを持っている
勤務20年以上の私のような団員にとっては
滅多に発生しない事例です。
その為、私、なんだかとっても緊張しているんです。
今夜の作品、女声合唱は3つのグループに分かれていて、
それぞれにキャラクターが与えられています。
私はこの作品はジャンプイン要員なので、
この3キャラクターを全て演じなくてはならないんです。
しかも出番の度にパートナーもでの場所も変化します。
私が今日受け持つ役割は、踊り子役。
なんとパートナー4人
ソリストとの絡みあり!!
まず調べるのは4人のパートナー
オリジナルのメンバーが演じるのか、
それともジャンプイン要員がやるのか?
この作品ではエキストラの合唱団員も共演しています。
舞台練習したことがない私には誰がくるのかもわかりません。
舞台の指定の場所で待機して、
そのパートナーが現れてくれることを祈るばかり。。。
あちらもS子は今日は私、
という事実はきっと知らないはずです。
さて、
午前中の段階で、2人のパートナーの不在が明らかになりました。
ちょっと不安ですが、
観念して、楽しいダンスシーンも1人でやる覚悟を固めます。
私は午後の休憩時間中に夜公演の舞台上で仲間達の迷惑にならないよう
個人演出カードをバイブルのように何度も何度も読み返します。
こんなに色々なことをしっかりこなさなくてはならなくなると
集中力がいるので
できている暗譜もかなりあやうくなってしまいます。
念の為もう一度楽譜も読み返しておきます。
そしていよいよ出番30分前。
劇場入りの時間です。
あーこわ、あーーー怖いいい!!!
気の小さい私は
同業の旦那さんに呆れられながらも
早めに劇場入りし、
舞台上で私の近くにいるだろう仲間に
挨拶代わりに言って回ります。
「ハロー! 私、今日 S 子なの。このシーン一緒だよね、
よろしくね!」
「オッケー! 私上手にいるんでそこで会おう!回転舞台だから
気をつけてね。入りは下手だよー!」
!!!
そうだ、
回転舞台は入りの待機場所が舞台裏で左右反対になるんだった!!
この作品は回転舞台がふんだんに使われているので、
そこも考慮に入れなくてはなりません。
実は私、右、左の感覚がちょっと苦手。
もうスキーの大回転のレースのように
回る舞台を想像しながら
自分のポジションを確認しておきます。
「舞台が回り終わって上手だったら
入りは下手か!」
そして三番目の出番はその反対。
二幕の初めはちょっとしたソロ演技が入ります。
画家役のソリストとのシーンも絶対に逃せない!!
画家役のソリストはいったい誰なのか??
今日の配役を見てソリストもチェックします。
これは一番の大事な役どころ。
一緒に出るアルトのC子さんが
「大丈夫、手繋いで行くから」
と安心させてくれます。
もうあと数分で舞台が回り出します!
そこで明らかになったのは
残りのパートナー2人がなんと病欠。
今日の舞台は蓋を開けたら、ここが学校であったなら
学級閉鎖になるだろうほどの病欠が発生していました!
もうインプロだよ今日は
と皆が口々に言っているのが聞こえます。
いよいよ前奏が始まりました。
舞台が回転し始めます。
もう待ったなし、
深呼吸して、次に行くべき場所のみをしっかり念頭におき
初舞台です!
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これは大好きな仲間が、
今日私が復帰するというのを知って、
彼女の大好きなチョコレートをプレゼントしてくれたんです。
そして、ようこそ!という一言が添えてありました!
もうハートがポカポカになって
今日一番ハッピーな瞬間でした!!