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小さな観客!

今日は珍しく歌劇場で書いています!
まだ午前中ですが、今日は朝11時から学校の生徒の為の公演で歌っています。
小学生の子供たちが今日の観客です。
演目はヨーロッパの子供達がオペラデビューする時の
人気演目
モーツアルト作曲の
「 魔笛 」です。
音楽の時間にきっと子供達は作品の内容や
登場人物、音楽、そして作曲家についてしっかり学んできてくれています。
私の働いているここヨーロッパの歌劇場では、
若い聴衆のためにたくさんの機会を提供していて、
歌劇場の舞台や、オーケストラ、児童合唱団などで開催されるワークショップ、
劇場内の舞台装置、音響、照明、など、様々なテクニックを見ることができる
舞台裏のツアーもあるんです。
そして、午前中に行われる学校のための公演、
週末や終演時間が夜遅くならないように企画された
子供のための作品も数多く上演されます。
私たちの劇場は国からの大きな援助があり、
経営にも国民の税金が使われているんです。
なので、
未来の舞台芸術を盛り立ててくれる若者が舞台芸術にできるだけ頻繁に触れられる
ような環境作りにも励んでいるのです。

観客席が子供たちだけというのはとてもエキサイティングです。
シーンとした観客席ですが、
ホール内は子供達のワクワク感が溢れていて
気温が4度くらい
上がっているのかと思うくらいの熱気です!
この小さな観客の反応はとても素直で、
盛大な拍手と歓声が公演中に何度も巻き起こり
私たちまで笑顔にしてくれます。

今日の公演で子供達の反応を
よく観察してみました。
歌手が素晴らしい歌を表現することは
もちろん大事です。
しかし、それは
彼らが拍手をする動機には
なっていないようなんです。

子供達が大好きなのはコミカルな役、
ポジティフなキャラクター
正義の味方的な役で、彼らには
惜しみなくMAXな拍手と歓声が送られていました!
それとは逆に、意地の悪い役を演じた素晴らしい歌手には
容赦なく聞いたこともないような
ブーイングの嵐が巻き起こります。
そうなんです。
子供達の拍手は歌手の歌唱の良し悪しではなく

公演作品の内容と、登場人物に何を感じるか?

ということに沿ったものだったのです。

子供のための公演は
ともすればルーティンにハマりやすい私たちにとって
舞台音楽に触れる喜びを素直に感じることを思い出させてくれる
とても新鮮で尊い公演だと感じました。

公演終了時にはいつもは小言ばかり言っているような気難しいメンバーたちも
普段は見せない、
とても幸せそうな顔をしているんです。

子供達の感性。
実は私達に一番大事なものなのかもしれません

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