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写真展をしてみよう。
まずは写真展を開催する動機づけのお話から。
「写真は人に見てもらうことで上手くなる。」これは、私が助手時代にアシスタントについていた安達洋次郎氏から教えていただいたことです。何だか文章にして冷静に考えると、あまりにも当たり前の教えなんですよね。
安達さんは私とは親子ほども年の離れた写真家ですが、助手に決して「先生」「師匠」と呼ばせない方でした。「”先生”はやめろ、”さん”づけで充分。」そんなカッコイイ安達さんから私はたくさんのことを学ばせていただきました。その中のひとつが、この「写真は人に見てもらうことで上手くなる」なんですね。「とにかく、写真を撮ったら人に見せろ。じゃなきゃ絶対にうまくならない。」5年ほどアシスタントさせていただいてましたが、このフレーズは何度聞いたかわかりません。当時は、デジタルなんて言葉が写真の世界にまだ無い時代。モノクロは自分で現像・プリント。カラーはポジフィルムでの撮影がほとんどでした。当然SNSなんて無いし、自分の写真を見てもらおうと思ったらプリントやベタ(コンタクトプリント)を直接「見てください!」ってお願いするしかないんですよね。そう、人に写真を見てもらうって、今ほど気楽なものでは無かった気がします。
これ、当然、当時の私には結構ハードル高かった。
曲がりなりにもそれまで、学校に通ってある程度アカデミックに写真を勉強してきてましたから、自分の撮った写真がなんとなく良いか悪いかくらいは分かります。人に胸張って「良い写真が撮れました!」って言えるものはそうそう撮れないし、あんまりよくないと思ってる写真を見てもらうのが当然憚られる・・・。
当時の私はなかなかに未熟で、そんな感じでなかなか積極的に撮った写真を見てもらったりすることは出来ませんでした。
しかし写真というのは、人によって感じ方が異なります。
ダメだと思った写真も、他の人の目で見てもらうことで違う角度、切り口で見ることが出来、より客観視することで課題が可視化されていくのです。見せるは一時の恥。見せないは一生の恥・・・です。
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写真を多くの人に見てもらうのに最も手っ取り早いのはSNSなどに投稿することでしょうが、さらにもう一段写真のスキルをあげたければ、写真展をすることです。SNSの投稿は手軽ですが、実際のプリントを製作して展示する写真展では自身が発信する情報量も、見てくれた方からフィードバックされる情報量もけた違いです。それこそが写真のスキルを大きく上げてくれるのです。そして何より、写真展を開催するまでのハードルそのものが写真のスキルをあげてくれるのです。
さあ、写真展をしてみる気分になりましたか?
まだそんな気分にはなれませんか?
いきなり個展はハードル高いなぁ…。多くの人はそう思うはず。
そんな人のために、グループ展や公募展があります。
グループ展は、まわりの写真仲間やサークルで有志を募って企画したり、ギャラリーさんが設定したテーマに沿って参加者を募集して開催したり。公募展は、写真団体や自治体などが公募して展示したり。調べてみるといろいろあります。特にグループ展においては、その運営・開催を手伝うことによって個展開催のノウハウを学ぶことが出来ます。
まずはグループ展→個展、この流れおススメです(笑
かくいう私は、2025年は春に1回、秋に2回の個展開催を予定しています。
会場もほぼ決まり、これから内容を詰めていくところです。
開催に向けた段取りや様子は追って記事にしていきたいと思いますのでお楽しみに。
他にも、アートフェア等へも積極的に参加していきたいと考えています。
2025年、楽しみな1年のはじまりです!
そして何より、この記事を読んでいただいた方ひとりでも多くの方に、写真展開催の楽しさを経験してほしいと思います。
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