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写真を「体験」するということ

茶道裏千家の公式行事の撮影をさせていただき、約25年。
茶道のことは全く素人の最初は右も左もわかりませんでしたが、御家元はじめまわりの先生方、茶道出版社編集の先輩方に助けられながら、今日まで何とかやってまいりました。 少しづつ茶道と関わる中、写真家としてもっとも興味をもったのが奥深い茶室建築、そして楚々として美しい茶花の世界観でした。 特に茶花は、いまだに名前が覚えられない花もたくさんありますがその美しさに魅了されました。

 その美しさを自身の表現として撮影したい。

 そして多くの人に見てもらいたい。

そうして始めた和花の撮影。さまざまな花を撮影するうち、花の美しさはその花弁を披く前から、そして花が枯れゆく姿にまでも存在することに気づき、さらに撮影に夢中になりました。

 そして妻の故郷で出会った越前和紙。
伝統ある越前和紙は、その特性、風合いを生かしてさまざまな用途に使われていることを知り、写真プリントも顔料インクとプリンターの高性能化によりたいへん美しいプリントができることがわかりました。

 和紙と和花。

この出会いがあったからこそ、私のライフワークである「花の貌」が生まれたといっても過言ではありません。
時代はデジタル・SNS全盛です。写真はスマホやパソコンモニター内に氾濫し、おそるべきスピードで消費されていきます。
写真の撮り手として、もっと一枚の写真と対峙してほしい。
じっくりと、そばに置きたくなるような、そんな作品作りがしたい。 
越前和紙にプリントした花の写真は、スマホやモニターで見るだけではその良さが分かりにくい。

和紙にプリントされた、独特のトーン。
やわらかな風合い。

実際に写真を見るという「体験」をしてほしい。
私の目を通して写した深淵なる花の緻密さ、美しさを伝統ある越前和紙にプリントするという、その物語を「感じて」ほしい。

そんな想いで、「花の貌」は作られています。
花の写真は、すこし眺めるだけで癒されます。
そんな作品を、皆さんに届けたいと考えています。
写真展は、そのために行っています。今回の会期はちょっと長めの7月29日まで。ぜひ、お立ち寄りください。

写真展「花の貌Ⅲ」
会期: 2024年7月3日(水)〜29日(月)
11:30~19:00 (火曜定休)
会場: THE 9X OSAKA (https://the9x.jp)
住所: 〒530-0043 大阪府大阪市北区天満3丁目1-2 B1F~1F TSビル

大阪メトロ谷町線天満橋徒歩5分/京阪本線天満橋駅徒歩6分

在廊日はInstagra(https://www.instagram.com/studio.sakura.1/))にて。






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