見出し画像

クライマックスとは主人公の内面の大逆転劇<小説・脚本書き方プロット講座⑨>

福岡で「作家塾」という小さな小説・脚本講座を14年以上、運営していく中で「プロット」を重視したおかげで多くの実績が出ましたというお話の第9回目。

ある程度、物語が書ける初心者さんは、大抵の場合、クライマックスの手前までは書けます。

物語の主人公や世界観の設定や物語の小ネタは割と書ける人が多いです。

ただ、難しいのは、クライマックスです。

多くの人が書いてて壁に当たるのが、クライマックスとオチが上手く書けない事です。

物語の始まりと終わりで主人公は大きく変化した方が良いのですが、その大きな逆転が生じるのがクライマックスです。

そして、以前の記事でも述べましたが、主人公の変化とは「主人公の内面の変化」です。

ですので、クライマックスでは、主人公の内面の大逆転が生じた方が面白いです。

例えば、それまで弱々しい臆病な主人公が、様々な困難を乗り越えた末、クライマックスで劇的で成長や変化を遂げ、精神的にも逞しくなり、遂に目的を達成する……と言う感じの漫画や映画は良くあります。

基本的に、読者は物語を読む際に、主人公に感情移入して楽しむのです。

主人公と一緒になって、成長していく擬似体験をする装置が物語と言えるかもしれません。

ただ例外もありまして、作品によっては主人公が感情移入しにくい奇妙な内面を持った人物である場合もあります。その場合、読者が感情移入しやすい(理解しやすい)準主役がいる事が多いです。

さて、それでは、どうすれば主人公の内面が劇的変化をするクライマックスを書けるでしょうか?

参考として以下の方法をご紹介します。

1/作者が主人公の気持ちになりきって書く
単純ですが、作者自身が主人公になりきって書くのが最も有効です。
クライマックスに限らず、物語全般を主人公になりきって書くのが基本です。
その為、主人公が作者とあまりにかけ離れた性格の人物だと書きにくいでしょう。
とは言え、大抵の場合、作者は無意識に主人公に自分を投影していますので、難しい事ではないです。

2/何度も粘って書く
これも単純ですが、良いクライマックスを書くには、様々なパターンを何度も書いて試行錯誤するしかありません。
粘る内に、作者の中で、これは素晴らしいクライマックスだと思えるものが書ければ、ひとまず合格です。
それから他人に読んでもらって得た意見を参考に更にリライトしていくと完成します。
結局、何度も粘って書けるという事が、良い作家になる条件とも言えるでしょう。

それから、読者に快適に物語に感情移入してもらう為に、分かり易くする工夫は割と重要で、多くの作家がその点は、気をつけています。

例えば、文書は読みやすいか?キャラの名前は覚えやすいか?無駄な表現は無いか?設定は複雑すぎないか?などです。

小説も、結局は、読者と言うお客様に文書で楽しんで頂くためのエンタメなのです。これは純文学、ライトノベル、恋愛小説、推理小説など全てのジャンルに当てはまる事です。

読んで下さる読者への配慮と工夫も、徹底しましょう。

(花野組福岡「作家塾」運営事務局)

いいなと思ったら応援しよう!