プロの作家を目指すならプロットの技術は必要<小説・脚本書き方プロット講座②>
<小説・脚本の書き方>
福岡で「作家塾」という小さな小説・脚本講座を14年以上、運営していく中で「プロット」を重視したおかげで多くの実績が出ましたというお話の第2回目。
さて、今回はプロの作家になるなら「プロット」の技術はあった方が良いですよというお話をします。
プロットとは、オチまで書かれた物語のあらすじの事です。
作家塾では、作品を書きたい方に、まずは800字程度のプロットを書いて下さいとお願いしています。
プロットの完成度が9割程度まで行ってから、本編執筆に移行します。
プロットを完成させるだけでも、概ね3ヶ月くらいかかります。
こういう話をすると、作家塾の生徒さんでも、プロットなんて書きたくない、早く本編執筆に移りたいと言う方は少なからずいます。(プロットを完成させるのは、なかなか骨が折れますからね)
noteでも<小説の書き方>で検索すると、プロットを書いた方が良いと言う意見と、プロットなんて要らないという意見の二つに分かれている印象です。
もちろん、プロットを書かなくても小説や脚本を書く事は可能です。
ただし、効率は悪くなります。
特に初心者作家にとっては、余計な苦労が発生するでしょう。
例えば、プロット無しで、いきなり250ページの長編小説を書くとして、初稿でストーリー展開を矛盾なく全く完璧に書き上げ、クライマックスも素晴らしく書け、テーマも全力で書き切る事は可能でしょうか?
ベテラン作家なら勘で書けるとしても、初心者には無謀です。何故なら、長文になるからです。読み直すだけでも苦労するでしょう。短編でもキツイはずです。
物語の創作に書き直し(リライト)は不可欠です。
長編小説の書き直しは、専業作家でも苦労します。作家の水上勉のエピソードで、700枚の長編小説を4回も書き直して大変だったという話もあります。専業作家では無い初心者には尚更、難しいでしょう。
プロットなら800字程度と短いので、直ぐ読めて、ストーリー全体の構成が問題無いかチェックしやすくなります。物語の結論(オチ)やクライマックスに関しても、何度も手直しやすくなります。また、人に読んでもらい易くなるので、様々な意見も聞きやすくなります。
この様にプロットは、作家の仕事をし易くするツールとして有効なのです。
特に脚本家の仕事には必要不可欠です。脚本の仕事をする際には、まずプロデューサー等とプロットで打ち合わせする事が常だからです。
また、小説家でも、駆け出し作家なら、編集者から、まずプロットを書いてと言われるでしょう。
この様に、物語を書く事を仕事にしたい方は、プロットの技術は獲得した方が有利かと思います。
(花野組福岡「作家塾」)