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自己紹介▶︎花のあるくらし研究所ができるまで

花のあるくらし研究所 所長、中村将史(1985年浜松生まれ)です。少し長くなりますが、僕が「花のあるくらし研究所」をはじめるまでの道のりについてお話しさせてください。
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▶︎「花屋になる〜SNUGGERY flowers店長時代」

花屋で働きはじめたのが21歳の大学生の頃。
当時はなにか手に職をつけて、自分で価値を創造するような仕事がしたいなー、かっこいいなーといった漠然とした気持ちでした。

その後、14年勤めることになる、SNUGGERY flowers杉山さんと出会い、こういう大人になりたい!(5歳しか違いませんでしたが)と日々研鑽に励む日々がはじまりました。

杉山さんはアレンジメントや花束の製作はもちろん、お花のクオリティにとてもこだわりをもっている方でしたので、日夜こういうバランスの方がお花が綺麗に見えるんじゃないかとか、この色合いの方が、お客さんが持ち帰る時にどう見えるかなど、教えてもらい、実践を積んで、明け方までお花を作り続けたこともありました。

SNUGGERY flowersの店長になってからは、お店のお客さんのお花を作るだけでなく、結婚式のお花も多く任せていただき、年間200組を超える新郎新婦さんと向き合い、それぞれのこだわりを実現させるべくお花を提案させてもらったことも自分の中の引き出しをたくさん持てるいい勉強をさせていただきました。

▶︎「独立〜どんなお店にしたいのかを考えて」

32.3歳を過ぎた頃から、杉山さんと同じ景色が見れる経営者としての独立を意識しはじめましたが、お店のことも好きでしたし、ガツガツ攻める性格でもないので、35歳の時の気持ちでどうするか決めようと思っていました。

35歳の時、やはり自分でもお店を開いてチャレンジしてみたいと思い、杉山さんにその気持ちを伝えて、応援するよと言ってもらえました。

では、自分はどんなお店にしたいんだろう?

そこで、いままでの仕事の延長ではなく、独自の信念を持ったお店でないといけないということを、気付かされました。そこでもいろんな友人のアドバイスがありました。

いままで、数えきれないお花をお届けしてきて、いつもひっかかってることがありました。
それは、お花をもらって一日以上そのまま机の上に放置されているのをみた時や、「お花って枯れちゃうからあんまり。。」という言葉を聞いた時などに、思った

「自分はお花に携わるものとして、お花の魅力をしっかり伝えることができているんだろうか??」

という疑問。

お花は一つ一つに命があって、イベントの楽しかった思い出と、お花の命と共に1週間楽しんでもらう。
その時間こそが、お花の楽しさではないのでしょうか?
それは枯れるから美しいのであって、たとえば一年中咲いてる桜の下でお花見をする人はいないですよね?

でも、それはお客さんが悪いのではなくてそういうことを伝えてこなかったお花屋さんのせいです。

若い世代で、お花をお手入れして飾ったことがない人が増えている昨今、お花の需要も20年間減少し続けています。

このままお花の楽しみ方を知らない世代が増えていったら、大好きなお花を飾るっていう文化がなくなってしまうのではないか?

いくら花屋がギフトのおしゃれさを競っても、花を飾る人がいない世界で、誰がそれを求めてくれるのか?

引っかかっていた「違和感」は、そんな「危機感」に変わっていきました。

それならば、自分がやるべきことは、「お花の楽しみ方をひとりでも多くの方に伝えていくこと」ではないのか?

コロナ禍でイベントや結婚式が軒並み中止になっていく中で、もっと日常に根付いた、地道ですが、日常にお花を楽しんで飾って、お手入れして、可愛がってくれる方を少しずつ増やしていきたい。
そして、その方々と一緒にもっと外の世界に花のあるくらしを広めていきたい。

そんな思いから屋号「花のあるくらし研究所」が生まれました。


▶︎「花のあるくらし研究生」のはじまり


そんなこんなでスタートした花のあるくらし研究所が、まず最初に始めたサービスは、「お花の定期便」サービスでした。
料理のレシピと材料セットみたいに、一本ずつお花を保水して宅急便で届け、それを生け方動画を見ながらお家でいけてもらうというサービスでした。

これもたくさんの方にご利用いただいたんですが、配送中にどうしてもお花が元気がなくなってしまったり、輸送費の分高くなってしまったり、なによりお客さんと直接話ができないというのが「一緒に花のある暮らしを広めていく」というところと違っていました。

その後、お店が3月に完成し、僕の頭に浮かんだのは、昔子供を保育園に迎えにいく途中にあった無人販売所でした。
徒歩10分くらいの距離でしたので、週一お休みの日に、よく歩いて迎えにいって、一緒に歩いて帰ってくることがあったんですが、その途中にお花をよく買って帰ったのを思い出したんです。

野菜の無人販売なんだけどその辺で取れたお花も売ってて(100円とか)、それを買って、もう少し行ったところの魚屋さんでお刺身を買って、他の家族が帰ってくるまでお花を生けて料理を作りながらビールをのむってのが僕にとってささやかな楽しみでした。

お花を飾るって本当はとても自然でささやかなものだと思うので、こんなふうな感覚をお客さんに伝えられたら、お花の楽しさをわかってもらえるのではないか?
お花の受取所を作ってそこでお花のお手入れや楽しみ方を伝えていけばいいのではないか?

そうして、「花のあるくらし研究生」は始まりました。

▶︎「花のあるくらし研究生」の約束
僕が日替わりブーケを束ねるとき、大切にしていることが2つあります。
1つは、そのまま花瓶に入れて成り立つように花を組むこと。
2つ目は、選ぶ時間、持ち帰る道中をワクワク楽しんでもらうこと、です。

1つ目に関しては、花に携わるプロとしてこのお花はこういう葉っぱとこういう風にいけると綺麗なんだよ〜というのをもっとたくさんの方に気づいて欲しくて、新しい色合わせを日々研究しています。

もちろん、お花に正解はないので、それぞれ自分が綺麗と思うようにいければいいんですが、花屋なりの提案ということで参考にしてください。

2つ目はとても大事!実は、花を持ち帰っていけるまでが1番ワクワク楽しかったりします。
そのために並べ方やラッピングも考えています。

▶︎「花のあるくらし研究生」のこれから
おかげさまで、「花のあるくらし研究生」は200名を越え、回数無制限のプランはキャンセル待ちを多く伺っております。
お花がある生活が楽しい〜と感想を伺うたびに、この店を作ってよかった〜と嬉しい気持ちになります。いつもありがとうございます。

ただ、一つの店舗での受け渡し数には限界があり、遠方の方などからうちの近くにも作って〜という声もいただきます。
そこで、今後「派出所」という形でお花の受け渡しに協力してもらえるお店を増やしていきたいと思ってます。

街ごとに派出所があって、自分のお気に入りのお店の帰りにお花を持って帰れたら、なんだか素敵な世界ですよね。


「派出所」のお店にとってもお客さんの来店頻度が増えたり、コミュニケーションにもなるメリットがあります。

こんなところも考えながら、これからもお客さんがお花を選ぶところを後ろからニヤニヤ眺める日々を楽しみたいと思います。

よろしくお願いします。

「花あるくらしを日常に」
花のあるくらし研究所 中村将史

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