人に言えないことばっかり増えていく

秘密ばっかりの人生だ。
してはいけない恋が多かったせいもある。
若気の至りでしてしまったあれこれが恥ずかしすぎて言えないせいもある。
自分自身を全部出すことができるのは、本当に仲の良い若い頃からの友人たちだけで、会社などで人と話す時は隠さなきゃいけないことばっかりだ。
「津田さんの彼ってどういう人？」
などと聞かれても、素性も言いにくいし関係性も言いにくいし、
「すごく素敵な人です」
などとお茶を濁そうものなら
「写真見せて！」
と言われ、
（それが‥‥写真を撮れるような仲でも雰囲気でもないんです‥‥）
ということも言いにくい。


だいぶ昔の話だが、その時好きだったおじさんと、その前に好きだったおじさんの両方とたまたま知り合いであるという、私から見たら警戒度100%の人がいた。
１ミリも悟られてはならないという緊張感を常に持って接していた。
ある時その人に、
「津田さん、何か隠してることあるでしょ」
と意味深な顔で聞かれたことがあった。
（ギョ！！何かバレた？！どうしようどうしよう、どっちの話のことだろう？！）
と心臓があやうく止まりそうになりながらも、
「あれ、私何か隠してましたっけ？」
とのんびり笑顔で言いながら頭をフル回転させて自分の言動を思い出そうとしていると、
「金曜日〇〇社の人達と合コンしたでしょ〜？その中に□□さんって人いなかった？あれ俺の同級生なんだよ」
「‥‥‥‥そうだったんですか！！」


危なかった〜〜〜！！
余計なこと言っちゃわないでよかった〜〜〜！！
心で安堵の号泣をしそうになりながら、
「いや〜私、合コンとか本当に向いてないんですよ〜。金曜日も全然喋らなかったので、感じ悪い奴が一人いたとかおっしゃってませんでしたか？」
と何事もなかったように話をスライドさせて乗り切った。


私は、愛するおじさんが多少無理のあるエロい要求をしてきても全力で答えてしまうタイプだ。
二人でいる時やベッドの上でももちろんなのだが、
「花野、何かいやらしいメールちょうだい」
などというメールが来たら、仕事そっちのけで（すみませんすみません）渾身のメールを作成して送ってしまう。


携帯で文字を打つ時の変換候補って、ものすごく便利だけど秘密がダダ漏れになってしまう機能でもある。
私はプライベートブラウズを駆使しまくっているが、昔そんな機能が無かった頃は何かと大変だった。


仲のいい友人たちには恋の話を全部話しているのだが、中でもゲイの友達二人とはエロの話まで含めてバシバシ話し合っている。
彼らはモテモテでど真ん中の人生を歩んできているので、私なんかとは比べ物にならないぐらい経験値が高いのだが、恋愛やエロに対する情緒は私と似ている。
まだスマートフォンの時代が来る前、携帯の変換候補を人に見せられるかどうかの話になったことがあった。
「え、待って待って、じゃあまず『あ』って打ってみて」
各々自分の携帯で「あ」を打ってみただけで、三人とも爆笑である。
「絶対見せらんない！！」
あ行は全体的にやばい感じで、なんなら「う」を打って「後ろ」とか出てきただけで見せられない気がしてくるのだ。
「後ろ」は別に良くない？？という話なのだが。


最近では更に、こんなあけすけに過去の恋愛のことをnoteに書いたりして（しかもエロ混じり）、自ら新たな秘密を作るようなことをしてしまった。


なんせ、セックスの時にしていることだの洋服で隠れている部分の身体的な特徴だのＳだのＭだのイキ方のコツだのAVへの要望だのを書いちゃってるのだ。
リアルの同僚や知人にバレたらどうしよう。
洒落にならない。
携帯の変換候補どころの騒ぎじゃない。
おじさん達本人にはバレても大丈夫な気がするが、それ以外の人は困る。
前にお兄ちゃんみたいな男友達のことを書いたが、彼とだって具体的なセックスの話なんてしたことないのだ。


でもnoteは楽しくて、自分を癒すためにもとても役立っているので容易にやめられないしな‥‥。


普通に考えたらこの広い世の中で私のnoteなんてバレるはずは無いのだが、自分に限って見つかってしまう気がするのは何なのだろう。
この新たな秘密がバレないことを祈るばかりだ。