親父とお袋 4
親父はいわゆる婿養子ではない。
じいちゃんと養子縁組をしているわけではなく、お袋と結婚してお袋が親父の籍に入っている・・・なんていうのかな?
だから苗字もじいちゃんの苗字は名乗っていない。
お陰で自分が産まれたとき、養子にしたいとの申し出があったそうだが、お袋よりも親父が断固反対で頓挫したそう。
じいちゃんが創業した商売を親父が専務ということで後を継いだ感じになったのだが、いきさつを考えてのことだろうか、じいちゃんと親父はお互いかなり気を遣って同じ屋根の下にいたように自分には感じた。
誕生日、クリスマス、プレゼントはじいちゃんからもらうが両親からはもらった記憶がない。
学校の行事も両親が忙しいからという理由のようだが、結構な確率でじいちゃんが来てくれた。
自分は両親の子供なのか?と疑問に思ったこともあったほど。
『橋の下で可愛そうにしていたから連れて来た』と冗談めかして親父とお袋が言っていた時の様子、今でも鮮明に覚えています。
両親はほんの冗談のつもりだったのだろうけど、自分には決してそう取れなかったからだろうな。
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