冬と雪と大根坂

昨日は、今季初めての雪掻きをしました。
冬・・・雪・・・
と頭の中を巡らせていたら、むかし実家の父が箒で雪を掃いていたこと、それに比べ富山の雪が重たいこと、夜中に車が雪でスタックして困っていたときに、見ず知らずの人が助けてくれたこと、スノーボードができる冬が大好きなことなど、他にもいろいろなことが思い浮かんだのですが、たどり着いたのが『大根坂』でした。

私が通っていた高校は、標高1,535mの山の麓にありました。電車に乗って8駅先の駅で降り、そこから徒歩20分ほどで高校に着くのですが、その道のりの最後は、歩行者しか通れない急勾配の坂道を登らなければいけませんでした。

「大根坂」と呼ばれるこの坂道。

なぜそう名付けられたかというと、3年間この坂道を登り続けると、足が鍛えられ大根足になるから、という理由でした。

『この高校に通う=大根足確定』

容姿を気にする年頃でしたが、この高校に通うということはこのことは避けて通れないことなんだ、と私はすんなりと納得していました。

7歳年上の従姉妹もこの高校に通っていました。私が同じ高校に通うようになり、従姉妹がこんな話をしてくれました。

「冬になって雪が降ると、あの大根坂ではね、きゃーって言う叫び声が聞こえた後、しばらくすると学生カバンが滑り落ちてくることがあるよ。」

急勾配の坂道に雪が積もると滑りやすくなり、転けた拍子に手から学生カバンが離れ、カバンだけが滑り落ちてくるというのです。確かに、大根坂に雪が積もったら登るのは大変そうだと思いました。でも、そんなギャグみたいなことってある?とも思いました。

冬になり雪が降るたびに、大根坂で誰かが転け、きゃーっと叫び、学生カバンが滑り落ちてくるのを想像しながら登校していました。しかし、3年間で一度もそのシーンを目の当たりにすることはありませんでした。

『そんな出来事を一度でも良いから、この目で見てみたかった。』

これが私の正直な気持ちでした。

冬や雪にまつわるエピソードを考えていたら、しばらく忘れていたことが出るわ、出るわ。その中でも、私の記憶に残っていた可笑しな話をご紹介しました。

雪のシーズンがやってきましたが、皆さんも雪道には気をつけてお過ごしください。




ヘッダーのイラストは、ちゃたのヒミツ基地さんからお借りしました。ありがとうございます☆彡

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