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清々しく、心落ち着く時間を味わいに行こう
「そろそろ、板の手入れしなきゃ。」
階段の踊り場の壁に立てかけてあるスノーボードの板。春夏秋はそれほど気にならなかったけれど、冬に入って雪が降りだしてからは、階段を上り下りするたびに、板のことが気になるようになりました。
娘が小学生の頃は、ホワイトシーズンがやってくると、いち早くオープンする遠方のスキー場へ泊まりがけで行って、2~3日間滑り倒すほどでした。それも私の住む地域では、秋の雰囲気がまだ残る頃。あの頃の私はすでに板の準備を着々としていたのです。
今ではスキー、スノーボードへの関心が薄れた娘。ここ数年は私ひとり、近場のスキー場に足を運び、4時間ほど楽しむくらい。娘の都合も考慮しなくて良くなった今、リフト待ちの時間がない、仕事が休みの平日にいつでも行けると思ったら、かえって板の手入れも先延ばしになっていきました。
でも、スキー場には行きたくなるんです。ひとりで行くと喋ることがない分、雪の上に立ち、雪景色を眺めていると、日頃考えていることとは違う心の動き方をする。滑っている間は、ただ滑ることに集中できる。それが清々しく、そして私の気持ちがいつの間にか落ち着いてくるのです。
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そして先日、重たかった私の腰も軽くなり、ワックスアイロンを倉庫から引っ張り出し、スノーボードの板を黙々と手入れしました。
エンジンがかかると、楽しくて仕方なくなるんです。エッジのちょっとした錆も気になり、消しゴムタイプの錆落としで夢中になって削り、リムーバーで板の滑走面を念入りに拭き、それだけでも気持ちが良い。
ワックス掛けで一番気持ちの良い作業はこれ。
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曇っていた滑走面につやが出て、私の気分もスッキリ。ソールカバーをかけて、いつでもスキー場へ出かけられる準備ができました。
カレンダーを見て、いけそうな日をチェックして、あとはその日のお天気次第。晴天なら遠くの景色まで眺められてより良いけれど、しんしんと降る雪の中に身を置くのもそれはそれで良し。あとは自然にお任せ。
雪景色を見ながら、清々しさや心の落ち着きを味わえるあの時間が楽しみです。
ヘッダー画像は2017年に八方尾根スキー場で取った写真。私が大好きな景色です。