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巳年あけましておめでとうございます2

今年は巳年、干支はヘビということで、軽井沢野鳥の森に生息するヘビを紹介しています。なにせヘビは写真を撮影しても、その後の使い道がほとんどないのです。ピッキオが作成するWebページにチラシ、ポスターどれにも需要がありません。というわけで、せっかくの12年に一度しかない機会ですので、お付き合いいただけましたら幸いです。今回は2種類目。とっても身近にいる毒蛇、ヤマカガシです。一応、警告しますが、今回の写真は閲覧注意ですよ!

ヤマカガシ

ヤマカガシは1.5mほどにまで成長するヘビですが、アイキャッチの写真はまだ小さな幼蛇。目がクリクリとしていて、口角が上がり、とてもカワイイですね。二度言いますが、とてもカワイイですよね。首元の鮮やかな黄色い帯も、幼蛇に特有な模様です。

大人のヤマカガシ

成長すると首の黄色い帯は色が薄く、目立たなくなります。でも下顎の黄色は、大人になっても鮮やかです。胴体には赤と黒のだんだら模様もあり、日本の本州に棲むヘビの中では随分とカラフルだと思います。
また、背中の鱗にはキールと呼ばれる前後方向に盛り上がった部位があり、全体としてザラザラした印象を受けます。

ヤマカガシは水田や湿地などでよく見られます。それは彼らの主な獲物がカエルだからです。大人のヤマカガシであれば、大きなアズマヒキガエルも丸呑みにしてしまいます。ヘビの細い体にどうやってヒキガエルが入るのか、何度見ても信じられません。

大きなアズマヒキガエルを呑むヤマカガシ
呑み込むのに時間がかかるため、
ヒキガエルの死臭にもうキンバエが集まり
産卵をはじめている

ところでヤマカガシは、2種類の毒を持つ珍しい毒蛇です。まずは上顎の奥にある小さな毒牙から注入される毒で、これはおそらく獲物を麻痺させ、丸呑みするのに有効なのでしょう。もちろん身を守るために咬むこともあるのですが、毒牙が小さいのでなかなか毒が注入されないようです。そのため長年、無毒のヘビと思われていました。しかし死亡例もある上に、血清が一般には出回っていないので、噛まれるのはとても危険。ですからヘビの扱いに慣れていない方は、絶対に捕まえたりしないようにしましょう。

そしてヤマカガシには、首のうしろにも毒腺があります。そこを強く圧迫すると毒が飛び散り、目に入ると刺激痛があり、結膜炎などになるそうです。天敵にダメージを与えて捕食を免れる効果があるのでしょうね。カラフルな色も、「私には毒があるぞ」という警告色なのかもしれません。

子どものアズマヒキガエルを食べるヤマカガシの幼蛇

ところでこの第二の毒、獲物として捕食したヒキガエルの毒を蓄積して利用していると言われています。いったいどんな仕組みで、ヒキガエルの毒が首の後ろに蓄積されていくのでしょうね。まだ小さな幼蛇も、身の丈に合った(?)アズマヒキガエルに食らいついていました。

実はケラ池スケートリンクでは、夏になるとヤマカガシがよく見つかります。

「野鳥の森ネイチャーウォッチング」は冬も開催中。
夏にはオタマジャクシを狙うヤマカガシの幼蛇に会えるかも。

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