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第13話:純愛を超えて
3日後、、、
ホント、お天道様は苦手だわ。
太陽が眩しい晴れ空と強い風が吹く日、、
風が強く吹いている日は、故郷の遠州の空っ風をなんとなく思い出す。
その風は、向かい風にも追い風にもなる。
あるいは、彼女が朝4時に見せたやさしい涙のように、やさしい風ってのも有るのかもしれない。
そんなことに気づきながら、男は木曜日の仕事をこなしていく。
フリーランスとして、その日は渋谷区の神泉と五反田のフィットネスクラブを回った。
帰りの電車、彼女から連絡が、、
「今から行ってもいい?」
流行語大賞。
「その使い方!笑」
この3日間は、メールでやりとりはしていても、どちらからも会おうと切り出すことはなかった。
そこには、お互いの変なプライドみたいなものがあったのかもしれない。
それとも、ただ単に照れていたのか。
お互いに夜の世界を生き抜いて来て、手を汚して、今さら照れるみたいな純愛とかいかがなものか。
男はそんなことを、いつも記録している日記帳にメモしながら、帰りの電車に揺られ、思考を旅しながら自宅へ帰った。
彼女が到着。
ドアを開けると、下を向いていた。
なんかあった?
「なんか、恥ずかしい」
流行語大賞。
「それ、今このタイミングではスベってるよ」
男は彼女にキスをした。
今夜は、俺が女に求めるもの、、いろいろと話す番だ。
「うん、録音するね」
せんでええわ!
2人は、3日間の会いたい気持ちをすべて解放するようにキスをし、自然とお互いのカラダを触れ合っていた。
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