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第32話:俺だって、キレイにゃなれねぇよ。
「チューまでいけました!また明日、会う約束まで取れましたよ!」
おーーさすがやったじゃん!
「ナイスパスあざした!師匠!」
師匠って呼ぶな笑
翌日、男は久しぶりの丸1日オフ。
んーー休みの日って何したら良いのかね、、
特に何をすることもなく、、洗濯して、布団干して、掃除して、米炊いてストックして、ベランダにお古のヨガマットを敷いてボーーっとしていた。
久しぶりに大掃除したな。
彼女があの日言った「あたしはキレイにならない、どれだけ洗ってもキレイにはならないよ」というセリフが、やけに胸に刺さる。
俺だって、キレイにゃなれねぇよ。
昔、歳上のお姉様に言われた「幸せは何が決めるのかな?」という言葉をふと思い出す。
近くにある太子堂中学校から聞こえる野球部の掛け声が元気だな、、、と気づけば30分くらい眠りに落ちていた。
夕食は自炊して、サバの塩焼き。
魚うめぇ。
そういえばあいつ=彼女、メシつくりに来てくれるって言わな、、
ケータイが鳴る。
彼女だ。
「ねーねー、ごはんつくりに行くよ!」
サバの塩焼き、美味かったぜ。
「えー!」
他の子につくってもらったんだエヘヘ。
「そんな打ち解けた仲の女なんて居ないくせにバーカ」
くっ…コイツ。
俺の裏を知る女はめんどくせーーなオイ。
「でも、行くから」
うん、トイレットペーパー買ってきて。
「よかろう」
真似すんなブス。
「ブスじゃないもん」
彼女が来るまでには時間がある。
ゲームでもやろっかな。
再びケータイが鳴る、、、後輩だ。
「先輩!O型女子、いただいちゃいました!」
おーー上手くやったじゃんナイス。
「おいしかったっす!イイ声してましたよ!」
そかそか。ナイスファイト。
また会ってくれると良いな。
「それが、、メール返ってこないんすよ」
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