【人生タカラクジ/番外編】[前編]その3とその4の間
彼のフィットネスクラブ会社員時代の話。
本編の『その3』と『その4』の間の話、、、
年末、彼のフィットネスクラブでは恒例の『クラブ会員を対象としておもてなしする忘年会』があり、その年は彼が担当を任された。
いつも怒られてばかりで、仕事ができないと言われ続け最低最悪の状態の彼に、何故そんな大役が任されたのか、、
彼は、
忘年会の場所を決めたり、予算を考えたり、集客したり、ときには徹夜になり、クラブの休憩室で仮眠をとったりして、彼なりに頑張った。
その努力も実り、集客は定員に達した。
彼は、お客さんには好かれていたので「幹事やってるんでしょ?もちろん行くよ!」と、たくさんのクラブメンバーからの有難いお言葉の数々。
場所は新宿のビル内の一室をホールとして貸し切り、料理はいろんな場所からいろんなオードブルを配達。
彼がバーみたいなオシャレなところを選ばず、シンプルな部屋を選んだ理由は、、
スタッフのダンスなどの出しものをより輝かせるため。
「たまたま通りかかったスタッフが突然ダンスを踊って驚かせたい!」という意図で、あえて殺風景なステージをセレクト。
「フィットネスクラブが提供する忘年会だから、ホームという『最も動きやすいところ』で派手に踊ったれ!」という思いを込めて。
そしてたくさんの演技をお客さんに披露。
彼も専門学校時代に培ったロッキングやアクロバティックなダンスを練習して、バシッと披露。
クラブメンバーの皆さんからは、、
「おおおおおっ!」
「すげーーー!」
「ビックリした!」
「唐揚げ喉に詰まるところだったじゃん!笑」
などなど。
たくさんの大きな声・笑い声が飛び交う良き忘年会となった。
収支も黒字となり、大成功。
翌日、出勤すると、、
お客さんたちから、、、
「ちょっと!すごく楽しかったよ!ダンス面白かった!今年はステージが今までで1番スゴかったね!楽しい忘年会をありがとう!」
って、言ってもらえた彼は、
美容師TKYから学んだことはこうやって活かせるのか!
俺はこうやって、人がやらないことをやったり、人とは違うことをやり、たくさんの人を喜ばせることができるのか!
と、達成感に満ち溢れていた。
その日の夕方、、
彼は、職場のトップである支配人に呼び出された、、、
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