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第3話:あたしの勝ち
「なんで分かったの?」
男は、プライベートでも、そして人には言えない仕事でも、たくさんの女性を抱いて来た。
さらに男は、フィットネスインストラクターやパーソナルトレーナーもやっているので、女性のカラダのことに特に詳しかった。
まあそんなことココで言う必要は無いと思い、、
さー、なんでだろうね。
テキトーかな。
「嘘だね、あたしには分かるもん」
いやいや。
ホントだってば。
「じゃあなんで、ヤリモク(ヤるだけの目的)なのに、そんなこと聞くの?」
え?
ああ、やっぱ、ヤリモクってバレてたか。
「サッと出して、気持ち良くなればいいじゃん」
たしかに、言われてみれば、、
「ハイ、あたしの勝ち!教えてもらうからね!」
彼女はニコッと笑った。
今思えば、、、
この笑顔に、時や心を奪われたのだろう。
まるで、太陽に向かって真っ直ぐ咲く向日葵のような笑顔。
ニコタマの花火が終わるころ、男はその笑顔の理由を知り、その日の曇り空の意味を理解する。
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