2020/9/1 長い夏の終わりに

今年の9/1はいままでの人生で1番素敵な9/1でした。
部屋を跨いだようにくっきり空気が涼しくなり、最推しアーティストがゲリラ配信で芸術の神様について語り、長らく会えてない知り合いが発表した新曲はどうしても私信に聴こえました。
島でスズムシとコオロギを捕まえました。

ただでさえ月がわりの境目の日に、感傷的な出来事が立て続けに起こり、胸の奥の方がほわほわともえました。

もえたついでに、今年の夏を振り返りました。
そして、長い夏になったと思いました。くたびれて長く感じていたのではなく、充実からくる長さです。
今年の夏、出掛けることのハードルが上がっている昨今ですが、私はむしろ外に出ることが増えていました。遠出をしたわけではありません。毎晩のように、夜の散歩に繰り出しました。

できるだけ毎日、新しい道を歩きました。
今の町に住んで3年、家の裏側は山手になっていて、景色のいい道がたくさんあることを知りました。知らない道を歩くとき、時間を長く感じるという、学生の頃の感覚を思い出しました。

歩くことは昔から好きでした。
学校からの帰り道、まだ通ったことのない路地がないか遠回りして探していました。
ただ一時期から、歩くことを心がバラバラになったときの応急処置として使っていたので、歩きたいという気持ちが湧くときは自分が辛いときなんだろうと考えるようになりました。目的なしに歩くと頭がすっきりしますね。だから、なんともないときに散歩することはなくなっていました。

夏のさなかに、最推しのアーティストが夜の散歩が好きだという話を聞いて、私もまた歩きたくなりました。

お気に入りの曲を聴きながら、知らない道を歩いて、ふと目に入る美しい景色にはっとする。自分は、そんな時間が何より至福だと感じる人間なのだと分かりました。
安くつく人間だなあとも思いますが、こんな情勢でなお、替えがたい至福があることは幸運です。

この気持ちを書き留めたくて、noteを始めました。

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