M1グランプリとエビ中と
エビ中の新春大学芸会2024はとにかく最高だった。サイコゥ!サイコゥ!サイコゥ!(水川かたまりvoice)というわけでファミえん以降放置してしまっていたnoteを書こうと思う。ただいま私は地元の個室サウナで外気浴中である。記事の方も整えていきたい。
まずは一曲目…と書き始めたいところなのだが、その前にM1グランプリ2023年の話を記しておきたい。エントリー数8540組の頂点に立ち、優勝賞金1000万円を獲得したのは『令和ロマン』。エビ中ファミリー向けに説明すると、一昨年のM1敗者復活戦で「エビ中なんやねん」でお馴染みのオズワルドに惜しくも敗れ、決勝に進めなかったコンビである。一昨年までのM1敗者復活戦は視聴者投票であったため、知名度の高い芸人が有利であった。そんなレギュレーションの中で、知名度抜群のミキを押さえての2位はかなり健闘したと言えた。敗者復活戦で披露したドラえもんのネタは相当面白かった。
そんな『令和ロマン』が今年はストレートで決勝に進み優勝したのだ!しかも2001年第1回大会の中川家以来となる、トップバッターでの優勝である!すごい!すごすぎる!
例年、トップバッターは不利と言われる。そりゃそうだ。年に一度のビッグイベントのハナ。人生がかかっている演者はもちろんのこと、審査員も観客もスタッフも誰もが呼吸が苦しくなるくらい緊張していることだろう。そんな状況下でいきなり笑いを取るのは相当難しいと思う。
だがしかし、今年のハナは一味違った。ネタ前のせり上がりの時点でなんかもうやってる。とんでもない奴らだ。ネタが始まる前にはやくも客席の心を鷲掴みにして、自分たちの世界に引き込んでいった。彼らは決勝という大舞台を目一杯楽しんでいた。
ネタが始まってからも客席を巻き込み爆笑に次ぐ爆笑。抜群の演技力で自由に暴れまわるくるま、一歩引きながら淡々とあしらうケムリ、馬鹿馬鹿しくも、どこかインテリジェンスと毒を孕んでいるいつもの令和ロマンスタイルを存分に見せつけた。更に、優勝後のラジオか何かで知ったのだが、彼らは笑神籤の順番によってタイプの違うネタを複数用意していたらしい。戦況を冷静に分析し、その場で一番ウケるスタイルを選択していたのだという。自分たちの芯の部分を大切にしつつ、その場その場で変化を恐れぬ大胆な姿勢。「これが令和ロマンだ!」と大声で叫びたくなるような優勝だった。
次はシシガシラ!敗者復活戦のネタも面白かったが決勝もめちゃくちゃ笑った…と続けたいところなのだが、「…ちょっと話すぎか…(くるまvoice)」「あるよなー…こういうこと。みなさんもあるんじゃないですか?(ケムリvoice)」大学芸会期間中ずっとM1の話をしてしまったため、数名のファミリーに怒られた。よってここでエビ中の話に戻ろうと思う。
大学芸会の一曲目は「Family Complex」安本さんの歌い出しとともに会場に響いた「うぉー」というファミリーたちの声にならないような声がまだ耳に残っている。私もつい声を漏らしてしまった。みんなが待ち望んだ大学芸会。新年一発目。高揚感と緊張感の狭間で漏れた魂の声だろう。わずか数秒で、彼女たちは会場全体の心を掴んだのだ。もう目が離せない。一瞬にしてエビ中の世界に引き込まれてしまった。薄暗い照明とスモークの中、鳥居をモチーフにした中央ステージに浮かび上がる10人のエビ中。ライトが当たり、ステージ階段を降りてくるその姿はまさに「最高、はいもう優勝。向かうところ敵なし」「竜頭竜尾」であった。
その後のことは私の表現力が足りなすぎて言語化できない。とにかく、メンバー全員がいつものように全力で歌い、踊り、叫び、笑い、エビ中の世界を存分に表現していた。何より年明け一発目の大舞台を目一杯楽しんでいたように見えた。まさに「これが私立恵比寿中学だ!」と大声で叫び続けているようなステージだった。
「M1グランプリ2023」と「私立恵比寿中学新春大学芸会2024」。どちらもハナから最強だった。そして、確固たる自分達の芯を持ちつつも、変幻自在に大胆に形を変えながら進化しているものの勝利だった。2024年は「令和ロマン」も「私立恵比寿中学」も更なる躍進が待っているはずだ。これからも目が離せない。
外気浴で身体を冷ましていたつもりが、むしろ熱を帯びてしまった。水風呂は苦手だから、もう一度冷水シャワーを浴びて帰ろうと思う。