かなり酔っぱらった日

 この日はドイツ人同僚が予約してくれたBornheimのレストランへ。同僚がビュンビュン車を飛ばして連れて行ってくれた。レストランの広い中庭に小屋があって、その中で食事できる。窓が大きいので解放感がある。

左奥が中庭


素敵な席


 同僚の友人を待っている間、アップルワインとハントカスを注文した。ハントカス(ハントケーゼ)はチーズにネギのかかったフランクフルト名物。フォークを使わず、ナイフだけで切ってナイフで突き刺して口に運ぶのだ、と先日同僚の友人に注意された。でも、他のドイツ人は「そんなルール知らない、そのそもハントカスは変な味がするので好きじゃない」と言っていた。お酒と合うからわたしは結構好きだ。

アップルワイン 


 店主らしき男性が、わたしにもわかるように英語でアップルワインの飲み方を説明してくれる。ストレートで飲むか、炭酸水と割って飲むかが主流らしく、わたしは林檎の香りを楽しみたいのでストレートで飲んだ。しばらくすると、同僚の友人が2人来た。そのうち1人は先日も一緒に食事した建築家。彼がわたしに食べさせてみたい料理をいろいろ注文した。

手前はハントカス、奥はよくわからん
ナイフ刺さっててワイルド
グリーンソース最高


 ナイフの刺さった牛肉の揚げ物、ソーセージ、牛肉のスライス、シュニッツェル。みんなわたしに少しずつ食べさせてくれた。グリーンのソースは店によって味がピンキリで、美味しくないとドイツ人が「これはマヨネーズだろ」と怒ってたりするのだが、この店のソースはかなり美味しかった。
 なんとなく、建築家の友人に”バウハウス”って何なの、と聞いてみた。今まで日本人が「バウハウスの精神が~」と言うのを聞いたことがある気がする。ドイツの建築に関係あるってことしかわたしは知らない。建築家の友人は一瞬黙って、今ものすごく興奮して心臓が高鳴っている、と。写真を見せながらバウハウスがどういうものかの説明をしてくれた。要は、装飾を極限まで抑えたシンプルな建築スタイルらしい。途中で店主が果実の入ったショットをサービスで持ってきてくれて、一緒に飲んだ。彼の彼女の叔母が日本人らしく、Kanpaiと言いながら乾杯した。
 わたしを車で送り迎えしてくれている同僚は、明日仕事があるし家が遠いのでそろそろ帰ることになった。が、同僚の友人2人がもう少し残ってよ、と言うのでわたしだけ残ることにした。結局それから1時間くらい中庭に出て飲み続けた。二回目のショットサービスもあった。雨が降っていて寒かった。
 帰り道、Taxiの中で各々の生い立ちについて話した。その日初めて会ったほうの同僚の友人はわたしと境遇が似ていて、肉親は頼れないけど友人が家族だと言っていた。2人で抱き合ってちょっと泣いた。異国でも、いつだって本音で話せば仲間ができる。

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