節分ブルー
2月2日の昼にランチを買いに行ったら、恵方巻きが売り場に並んでいた。マグロの赤にそそられたが、迷った挙句、まぁ節分は明日だしなという理由で、4割引きになっていたミートソースチーズマカロニを買った。
残業も終わって帰ろうとケータイをチェックしたところ、家族で共有しているアプリに、姪っ子と弟が愉快に豆まきをしている動画がアップされていた。
あれ、節分て明日ですよねえ、と同僚に確認すると、今日ですよ、と言う。忙しさのあまり日付を1日間違えたのかと焦ると、今日は2月2日の節分ですよ、と言う。
もう訳がわからなくなって、ヤホーで調べたら、なんと今年は明治30年以来、124年ぶりに2月2日が節分だというではないか。
え、みんな知ってたんですか、これ?
一日の終わりに置いてきぼりを食らってさびしいような、何とも言えない気持ちになった。恵方巻きに惹かれながら迷って買わなかったことも、運気さがってるせいなんじゃないかと疑心暗鬼になる。
この○○年ぶりの何かに乗り遅れて、スカされた感じ、なんか前にもあったような.....。
ハレー彗星のときだ。
1986年、ハレー彗星が76年で地球に接近するというので、日本のみならず世界中で大フィーバーだった。
私は小学生時代の趣味が切手収集だったのだが、切手業界も熱かった。世界中からハレー彗星の切手が出ていたので、お小遣いをはたいて、いくつか買った。
当時、小学校のクラスメートと夜中にハレー彗星を見に行く約束をして、彼女たちが迎えに来るのを夜遅くまで起きて待っていた。でも、待ちぼうけをくらうという結果になった。約束の時間をだいぶ過ぎてから、親御さんから眠ってしまっていけませんと電話があった。
大して興味もなかった私を彼女たちがその気にさせたというのに。夜ふかしという子どもにとってのスリルもあって、その時にはテンションが高まっていた。それをスカされ、やり場のない虚しさを持て余したのを覚えている。子ども心に、世間の波に乗り遅れちまったなぁ、みたいな気持ちになった。
結局、ハレー彗星を見ることができなかった。
周りの大人たちが口々に、もう生きているうちには見られないねえと言っていた。
次にハレー彗星がやってくるのは2061年。
あと40年生きていたら見られるかもしれない。微妙なところだ。
調べてみたら、次に節分が2月2日になるのは2025年だ。まあ、それまでなら頑張れるか。
ところで、ついでに調べてみたら、私がお小遣いをはたいて買ったハレー彗星の切手が、当時より安いぐらいの値段で売られているじゃないか。またもや凹む。なんて日だ!
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