コロナウイルス奮闘記 #14
ある夜の出来事
ローマの休日のお話に似ているなぁと思っていて、調べてみたら、ローマの休日よりも先に発表されていたようで、この映画は後の映画に多大な影響を与えていたらしい。
映画の基本となるような部分が抑えられているようで、見ていて心地よかった。
人間って本当に面倒な生き物で、なかなか素直になれたものじゃない。
大好きな相手でも、ついついそっけなくしてしまうことがいっぱいある。
幸せになりたいとか、なってもらいたいとか、
優しくしたいとか思っていても、理性が邪魔するのか、自分自身が邪魔してくるのかわからないけれど、とにかく自分の気持ちを邪魔してくる。
僕たちは素直になれないけれど、そこに物語が隠れている。
人間の素直になれない部分にこそ情緒があるのです。
それと、今回の映画では、ヒロインの父親が主人公のことをやたらと気にいるシーンがある。
主人公は悪態をつくし、僕にしてみたらおいおいあまりにも失礼じゃないかと思ったけれど、とにかく父親は主人公を気に入る。
観客の「一般的な意見」は物語には関係ない。
作者や俳優は、ただ、「個人的感想」を語るべきだと思った。
カエルの丸焼きを僕たちがどれだけ食べたくなくたって、悟空の大好物はチチの作ったカエルの丸焼きなのだ。
僕たちがカエルの丸焼きのことを嫌いだからといって、悟空の感性を否定することはない。
物語は、「個人的感想」を述べていくものである。
「一般的意見」だけが述べられていく物語は、つまらない。