それぞれの水刃式【キャラクターブックあるある】外伝や派生作品のキャラを掘り下げる雰囲気


常時公開します。
創作隊員のこの人の水刃式が見たい!
とか
自分キャラの水刃式を書いてほしい!
のリクエストで増えていきます!



ルナの場合

ヴァサラ軍の隊舎へ行く道を鼻歌を歌いながら歩く女性。
その外見はかなり可愛い容姿をしているが、頭には角、ふくの外には長い悪魔のような尻尾、普段はしまっているが、背中にはカラスか悪魔のような羽根を生やしており、明らかに普通の人間ではないことがわかる。

彼女の名前はルナ。
淫魔(サキュバス)と人間の半妖だ。

そして今日は同じ半妖であり、ルナにとって誰よりも大好きな幼なじみで、かの有名なヴァサラ軍の一番隊隊長を務める『鬼神』ラショウに呼ばれ隊舎に向かっている。
足取りも軽くなるというものだ。

「ラショウ君!お~い!」

ラショウの姿を見つけるなりルナのテンションは更に爆上がりし、とてつもないスピードでラショウに近寄る。

「ルナ…あまり大きな声で騒ぐな」

「ごめんごめん、ラショウ君に会えるって思ったらついテンション上がっちゃったの…」

「お前が来ると他の男性隊員が集まる…」

ラショウは無愛想な態度でルナに話しかける。
一番隊隊舎にはルナ見たさの大量の男性隊員が集まっていた。
おそらく殆どの男性隊員が来ているだろう。

「あ、そういうの気にする?大丈夫だよ?アタシ、ラショウ君以外に目移りとかしないから」

「バカか…」

「え?」

ルナの可愛い返答にラショウは頭を抱える。
今の言葉は明らかに見ている男性隊員のヘイトを買うものだ。

『『『『『『『いいなぁ〜ラショウ隊長!!俺が強ければ斬りかかるのに…来い、パンテラ隊長!!』』』』』』』

ギャラリーの思っていることが『共鳴』する。

「…始めるぞ」

ギャラリーを無視してルナの前にバケツを置く。

「水刃式?わざわざやらなくても…?アタシの極みラショウ君と同じって知ってるよね?」

水刃式とは水の張ったバケツに刀の尖端を漬け、自らの極みの性質を探すというもの。
基本的には基礎格である、火、水、風、雷、土の『五神柱』と呼ばれるものが発言するのだが、時折特殊格が出ることもある。

基礎格を鍛え、派生した特殊格の極み、
元々特殊格のもの。

ラショウとルナは半妖のため特殊格の『妖』で、極みも『妖の極み』。
水は紫色に変わる。

しかし、今回ルナにしてもらいたいのは彼女の持つもう一つの能力についてだ。

現在、カムイ軍という軍勢とヴァサラ軍は戦っており、そこの最高幹部『カムイ七剣』は超神術というものを使う。
これは本来カムイから受け取る力だが、ルナにはその力が先天的にあるのだ。

『ルナの力…十二神将クラスだろう…だからこそ…』

水刃式は必要だとラショウは考える。
それにその力を奪うためにカムイ軍が攻め込む可能性もゼロではない。

十二神将クラスといえど、優しすぎる性格と戦闘に慣れていないルナの戦闘力は、『隊長の中で一番弱い』と言われたルトよりも遥かに劣るだろう。

「ラショウ君?刀はこれで平気なのかな?」

ルナの刀は特殊なものだ。

刀身に使われている素材は他ならぬラショウの牙で、幼い頃にお守りとして渡したものを武器にしたらしい。

妖刀『修羅』と名付けられたその刀は普段はポケットに入るほど小さいナイフで、刀身の大きさはラショウを『想う力』で刀となる。
想う力が強ければ強いほど刀身が伸びるのも特徴だ。

「…その刀だからこそもう一つの特殊格が出るはずだ…」

「そっか、やってみるね!」

ほんの少しルナの表情に緊張の色が浮かぶ。

「フン、こんなもんで緊張するな…」

ラショウは冷たく言い放つが、その手はルナの頭に優しく置かれている。

ラショウ精一杯の優しさだろう。

「ありがと、頑張るね♡」

本来、ルナは帽子などの被り物が大嫌いだ。
角が邪魔で無理矢理かぶろうものなら激痛が走る。
頭に手を置かれることもあまり好きではない。

しかし、ラショウだけはその行動を許していた。

それは彼女なりの信頼であり、好意の表れでもある。

「…」

安心しきったルナは刀を水面につける。

バケツはいつも通り輝き、中に色を付ける。
その色は目が痛くなるほどのショッキングピンク。
まさしく『愛の超神術』にふさわしい色だ。

「…やはり特殊格か」

「へ〜、『愛の超神術』ってこんな色なんだ!」

「ついでにその力でギャラリーでも払っとけ、邪魔だ…」

「乱暴なことはだめだよ…でも実践してみるのもありだよね。『誰も傷付けずに』」

水刃式で伸ばしていたルナの刀が脇差し程に縮む。

「愛の超神術『色欲女帝(キング・ビッチ)』:初愛(ファースト・ラヴ)」

ルナの刀からピンク色の霧が発生する。
同時にギャラリーの男たちが自身の隊舎へ戻っていく。

ルナの超神術は自分に好意を抱いたものの思考を阻害して意のままに操る力。
技によって怪我させたり、石化させたり、眠らせたり、ルナ自身の筋力を増幅させるといった特殊なものもある。

そしてそれが効かない条件は、『別のものに想いが強い』『少しでもルナに疑念があること』のどちらかだ。
そしてその条件に当てはまった甲高い声で男がルナへ近づいてくる。

「やい!今日こそその刀をかけて勝負だ!ラショ兄の一番弟子の俺様にふさわしい刀だからな!」

一番隊隊員のヒルヒルがルナへ近寄る。
隊舎に来るたびルナの刀をかけた勝負を仕掛けてくる。

「…外でやれ」

ラショウは冷たく言い放ち、ルナにピクルスを渡す。

「わぁ!今日も美味しそ〜!ありがと、ラショウ君…じゃなくて止めてよ!!も〜!」

「勝負うう!」

ヒルヒルとルナは刀を交えようとする…が…

ヒルヒルはいきなりパンテラに吹き飛ばされる。

「ウヒャヒャヒャ!久しぶりだね〜ルナちゃん!今日こそボクちゃんとヤろうよ!」

「ヤダアアアアア!助けてラショウ君〜」

ルナはパンテラから一目散に逃げる。
来るたびに殺しにかかるパンテラがルナは大の苦手だ。

「…人の隊舎で暴れるな」

大嫌いなパンテラにラショウが斬りかかる。
神聖な水刃式なのにめちゃくちゃだ。

後日、全員ヴァサラ総督に怒られたとか…

水刃式、ルナ編
おわり。
他の人の水刃式も書かせて欲しい




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