両方の人生なんて歩めない
『大丈夫 大丈夫』
そう言い聞かせながら 地下鉄を降りた
地下鉄の出口を降りると
ゆきがしんしんと降っていた
歩き出すと 辺りは、見たこともない制服ばかり
あの子頭よさそう きっと合格するんだろうな
英単語集読んでいる 私も読んだほうがいいかな
少しずつ不安が積もっていく
校舎に入る この学校の先生かな
おはようございます あいさつだけは自信あり
あいさつだけで合否決めてくれたら
絶対合格する自信ある
そんなに社会は甘くない
受験票をみて 自分の教室を確かめる
階段を上がるたびに 緊張が増していく
『あった』 教室に入ると
物音ひとつしない 静けさだ
みんな参考書や お手製のノートを見ている
私も見ないと その前にお手洗いに行っておこう
席に着く 参考書を見るが
頭に入ってこない
それでもいい 眺めているだけで
そう自分に言い聞かせた
時間までに 会場にたどり着けただけでいいんだ
試験監督の先生が来た 注意事項等の説明があった
問題用紙が配られ 時間になるまで表紙を眺める
ドキドキ なんて言葉じゃ足りないくらいの緊張だった
「はじめ!」
一斉に問題用紙を開く 「バサッ!」
一瞬 出遅れた。
ゆっくりと問題を読み
解答用紙に答えを書いていく
あっという間に時間が
「やめ、手を置きなさい」
答案用紙が回収されていく。
「次は、○○時○○分から始めます。それまでに席についていてください」
やっと解放された 同時に
あの問題の答え あれだったかな
あの問題は あっている
なんて振り返っているのも、つかの間
次の教科の勉強しなきゃ。
その前に お手洗いに
始まったと思った試験も あっという間に 終わっていく
お昼休み 母の作ってくれたお弁当が とてもおいしく感じた
毎日 ケンカして 文句ばかり言っていたけど
この時ばかりは ありがとうと思った
あと一つ がんばろう
「やめ」試験終了
帰り道 校舎を見て
これが最後になりませんようにと
願いながら 地下鉄に向かった
全教科名前書いたかな?
あの問題の答えあれだったかも
色々反省点があるが どうしようもない
ただ 自分のやるべきことはやった
そう思うしかない
帰宅後 解答速報を見る
自己採点するが 本当にそう書いたかなんてわからない
落ちたかも そう思うがもう遅い
終わったことなんだから考えてもしょうがない
でも、気になってしょうがない
でも、大丈夫
結果 そこで人生が決まるわけでない
合格だから いい人生なのか
不合格のほうが いい人生になったかもしれない
そんなの誰がわかるのさ
両方の人生なんて歩めない
<おしまい>
北海道の公立高校の受験は、
今日と明日!
みなさんが実力を発揮できますように
応援してます!
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