
【札幌民泊】民泊開始までの流れ
民泊運営開始までの≪流れ・備考・費用≫
*賃貸物件を借りる場合
① 民泊OKの賃貸物件を探す
*コロナ化前は、民泊運営に適した賃貸物件を見つけるのが比較的容易でしたが、近年は民泊需要の増加に反比例して、民泊OKの物件が減少し賃料も高騰してきています。さらに、民泊可能な物件に関する規制や要件が厳しくなっているため、しっかりとした調査が必要です。また、地域ごとの民泊に対する規制や市場の状況も異なるため、慎重な判断が求められます。
② 物件決定
物件が決定したら次のステップに進みますが、物件(賃貸)契約の前に、下記の重要な確認事項が必要です。この段階での慎重な確認が、後々のトラブルを避けるために非常に重要です。まずは消防設備費用の確認を行いましょう。
■消防設備費用の確認 *見積もりが出るまでに通常1~2週間かかりますが、物件によってはさらに時間がかかることもあります。費用は、部屋のみが対象か、建物全体が対象かによって大きく異なるため、慎重に確認する必要があります。特に、民泊に詳しい消防設備業者への依頼が肝心です。民泊に詳しい消防設備業者は法律や規制を熟知しており、適切な設備設置をサポートしてくれます。
■ 賃貸契約と消防設備工事の確認 賃貸契約と消防設備工事の確認を同時に行うことが推奨されます。これらの手続きは、民泊運営に詳しい仲介業者と相談しながら進めるのが理想です。正確な情報提供がなければ、物件を借りるチャンスを逃す可能性があるため、信頼できる業者の選定が不可欠です。
③ 賃貸申し込み
賃貸物件が決まったら、賃貸申し込みを行います。賃貸申し込みの結果が出るまでには通常約1週間かかりますが、場合によってはさらに長くかかることもあります。個人であれ法人であれ、保証会社の審査があり、特に民泊に対する審査は厳しいです。最近では民泊運営のリスクが高まっているため、審査基準が厳格化されていることが多いです。
◆ 賃貸初期費用 →賃料の約4~6か月分が目安ですが、物件や地域によって異なるため、詳細な見積もりを事前に確認しておくことが重要です。
◆ この時点で、消防設備と賃貸契約の費用が確定していなければならず、利益が出るかどうかの確認が必要です。もし利益が出ない場合は、他の物件を検討するか、計画を再調整する必要があります。
④ 民泊許可届書類の準備・届出
■ 札幌市民泊総合窓口に届出
申請書類≪(個人の場合)≫は以下のとおりです。
住宅宿泊事業届出書:民泊運営を開始するために必須の書類です。個人情報や物件の詳細を記載します。
届出住宅の図面:物件の間取りや設備配置を正確に描いた図面が必要です。これにより、消防法令適合やその他の基準が満たされているかを確認します。
事業者要件を満たしている旨の誓約書:申請者が必要な資格や要件を満たしていることを誓約します。
届出住宅の登記事項証明書:物件の権利関係や所有者情報を証明するために必要です。
消防法令適合通知書:消防法令に適合していることを証明する書類です。これがなければ民泊の許可は下りません。
届出住宅の位置図:物件の位置を示す地図が必要です。これにより、申請がスムーズに進行します。
その他、状況に応じて追加書類が必要になる場合があります。例えば、札幌市以外に住民票がある場合は、住民票の写しなどが必要です。申請から届出番号が出るまでには約3~4週間かかりますが、提出後に不備があればさらに時間がかかることがありますので、十分な余裕を持って手続きを進めましょう。
◆ 行政書士に依頼する場合、約10万円(税抜)の費用がかかりますが、民泊に精通している行政書士に依頼することを強く推奨します。彼らは手続きの詳細を熟知しており、迅速かつ確実に申請を進めることができます。自分で申請する場合、この費用は不要ですが、手続きに慣れていない場合は時間と労力を要することを覚悟しておくべきです。
⑤ 部屋のセッティング
■ 家具家電や備品、アメニティの設置 この作業は、賃貸契約が終了し、届出番号が出るまでの間に行う必要があります。すでに賃料が発生しているため、迅速に進めることが重要です。また、消防設備工事の依頼もすでに行っているため、これらの作業を並行して進める必要があります。作業人員の数や作業時間によりますが、初心者がセッティングを完了するまでには通常約3週間~1ヶ月かかります。特に交換用リネン(シーツ・枕カバー・布団カバー等)の準備も忘れずに行う必要があります。これらの準備が不十分だと、運営開始後にトラブルが発生する可能性が高まります。セッティング作業は体力的にも精神的にも非常に疲れるため、計画的に進めることが重要です。
◆ 頼んだ場合 →2名の部屋で約50万円くらいの費用がかかるとされていますが、部屋の広さやセッティングの質・量によってはさらに高額になることもあります。自分でセッティングを行う場合はこの費用は不要ですが、初めての方は時間と手間を覚悟する必要があります。質素でシンプルなセッティングが、清掃の手間を減らし、長期的にはコストを抑えることに繋がります。炊飯器やトースターなどの家電製品は、故障や手入れの手間がかかるため、設置しない方が良いでしょう。また、日本風の人形や置物は、壊れやすく、掃除の手間がかかるため、避けるのが無難です。
⑥ 民泊サイトへの登録
■ 室内写真撮影 室内の写真撮影は非常に重要です。物件の魅力を最大限に引き出すため、できるだけ性能の良いスマホやカメラを使用し、明るく、広々と見えるように撮影することが求められます。特に水廻用品やキッチン器具などは清潔感を演出し、ゲストに安心感を与えるために必ず撮影する必要があります。また、物件周辺の公共交通機関の乗り場や、エントランス、共用部分なども撮影しておくことで、ゲストに対する情報提供がより充実します。
■ 各OTAへの登録作業 各OTA(オンライン旅行代理店)への登録作業は、届出番号が発行されてから行います。この作業は慣れるまで肩がこる作業ですが、丁寧に行うことで予約率の向上に繋がります。各OTA側でのチェックがあるため、公開までに数日かかることもありますが、焦らずに正確な情報を入力することが重要です。
◆ 依頼した場合
写真撮影:20,000円(税抜)
OTA登録:20,000円(税抜)
依頼する場合の費用はそれぞれ約20,000円かかりますが、ご自身で行う場合は不要です。Booking.comやAirbnb、Expedia、楽天vacation stayなど、複数のプラットフォームへの登録が推奨されます。さらに、直予約サイトの構築も検討すると、OTA手数料を削減し、収益を最大化することが可能です。
⑦ 運営開始
■ ゲストからの予約対応 運営開始後は、ゲストからの予約対応が日常業務の一環となります。予約対応の迅速さや丁寧さが、ゲストの満足度に直結するため、しっかりと対応することが求められます。
■ チェックインまでのやり取り チェックイン前には、ゲストとのコミュニケーションを通じて、到着時間や注意事項などを確認します。特に、初めてのゲストには細かく案内を行うことで、スムーズなチェックインが可能になります。
■ 滞在中のトラブル対応 ゲスト滞在中にトラブルが発生した場合、迅速な対応が求められます。例えば、鍵の紛失や設備の故障、騒音問題など、さまざまな問題が考えられますが、これらに迅速かつ適切に対応することで、ゲストの信頼を得ることができます。
■ ゴミ問題 ゴミ問題は特に重要です。ゴミの分別や処理に関するルールを事前にゲストに説明し、問題を未然に防ぐことが大切です。また、トイレットペーパーの消費量が多いゲストに備えて、十分なストックを用意しておくことも必要です。
■ チェックアウト後の清掃 チェックアウト後には、次のゲストを迎えるための清掃とアメニティの補充が必要です。忘れ物があれば迅速に対応し、ゲストに返送するなど、アフターサービスにも気を配ることで、良好な評価を得ることができます。
■ 忘れ物対応等 ゲストの忘れ物が発生した場合、迅速に連絡し、返送手続きなどを行うことが信頼のカギとなります。
■ 運営開始後の必須支出費用
家賃/管理費:固定費として毎月発生します。
光熱費:ゲストの滞在中に発生する電気、ガス、水道の費用です。
OTAに支払うサイト手数料:予約が入るたびに発生する手数料です。通常、総売上の約15%前後が目安です。
◆ 管理運営を依頼した場合 管理委託料として、売上の約25%が管理会社に支払われますが、この費用により、日常の運営業務から解放されるため、多忙なオーナーにとっては有効な選択肢です。
⑧ 各OTAより指定口座に入金!
ついに、これまでの努力が報われる瞬間です。各OTAから指定口座に入金が確認できたとき、その喜びはひとしおです。予約が増えるたびに、通帳に記帳される金額が増えていくのを見ると、民泊運営の楽しさと達成感を感じることができるでしょう。収益が安定すると、さらに多くの物件を運営したいという意欲が湧き、民泊運営が手放せなくなるかもしれません。
