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【執着心】
こんばんは
今日もおつかれさまです
華萌(はなも)です
アテンドとか女衒とか上納とか
当時はそんな言い方もなかったし
こんな騒ぎになることもなかった
10年以上経ってもやってることは同じ
あの頃と違うのは
世間を巻き込んで
大騒動になってしまうこと
積極的に飲み会を開いていたSさんは
「おいしい思いをさせてあげる」
と同僚や後輩を言いくるめ
接待要員として飲み会に送り込んでいた
でも、
Sさんも初めは
誰かに言いくるめられる側で
飲み会の後に何かを経験した1人であることは間違いないだろう
なぜなら 周囲の男性たちは彼女のことを
「公衆便所」と呼んでいたから
それも割と大っぴらに
初めて耳にしたときは絶句した
一介の派遣社員である私の耳に
アテンドをしている話や
男性たちと何かしらあった話が
聞こえてくるくらいだからこのことは広く知れ渡っているに違いない
針のむしろだその状況でも彼女は会社を辞めなかった
ひどい陰口も当然耳に入っているだろうが
粛々と飲み会のセッティングに
勤しんでいた
新卒で入社して
接待要員としてチヤホヤされるのは
ほんの僅かな間だけ
30代は女じゃない と言われる職場では
年齢を重ねることに
焦りや恐怖があったと思う会社での自分の居場所を守るため
職場に居続けるため
並々ならぬ執着心をもって
自分の役割をこなしていたのかもしれない
派遣の法律が厳しくなっていく中で
よくSさんは
「ここの職場しか知らないから 転職して他の会社に行くのは怖い」
と言っていた
「テレビ局の常識は世間の非常識」
とは 社内でよく聞く言葉だったが
彼女も世間の常識が分からないと
言っていた
石にしがみついてでも
この職場にいるために
歳を重ねても自分には存在価値があると
示さなくてはならない
だから
アテンド役を辞めるわけはいかなかったのではないか
彼女の行為を正当化する気はない
しかし そうなるように
仕向けた あるいは 追い込んだのは
企業風土であり
周りの男性たちではないか
だから
私には彼女も被害者に見える
それにしても
おいしい思いとは何なのか…