「蜂蜜色のアップルパイ〜黒猫のバニラ物語〜#2 」"バニラ iPadを使いこなす🐈‍⬛ "

"バニラ iPadを使いこなす 🐈‍⬛🐾 "

吾輩の得意技の１つとして、スマホ画面のスライド作業を得意としております。人間殿はスマホやタブレットが日常生活になくては成り立たないように、我々の" 猫生活 "にも必需品になりつつあるのです。

飼い主は吾輩の肉球の写真を撮るのが好きなようで、吾輩は飼い主に喜んでもらおうと「美しい肉球を保つための努力」を日々探求しているのである。
その方法というのは吾輩の美を保つための" 猫草 "だったり、猫タワーからしなやかに降りて筋力作りをする、などの方法なのだが、これらは母や兄弟猫から教わったものなのだが、少々物足りなさを感じはじめていたのだ。

ある日の飼い主のiPad画面に「手のひらの金星丘がふっくらしているのは愛情豊か」と書いている記事を開いていたままにしていた日があった。続いて「手のひらや指を使い、全身にひろがるツボを押すと肩こりやお出かけなどで疲れた足を揉みほぐすと身体の疲労感がとれる」と書かれているのを目にし、吾輩はその記事の続きを読みたくなったのだ。そうだ、肉球を美しく保つ方法も検索してみよう。

飼い主が次のページに進む時は、そういえば人差し指を画面にあてていたような……
吾輩も恐る恐るiPadの画面に右足をおいてみた。
すると吾輩の肉球が思いがけず画面に吸い付くようにぴたりとくっつき、吾輩は驚いて右足を思わず画面から離してしまったのだ。日頃から冷静沈着な吾輩も、突然の画面の" 肉球吸い付き "に「にゃにゃにゃっ」と思わず" 猫声 "が出てしまったのだ……。

またまた偶然の産物である。iPadから驚いて離した右足が「iPadの画面の記事を読み進めるスライド方法」を偶然にも習得してしまったのである。

それとiPadの画面をスライドさせるのには、肉球の適度な潤いとしっとり感がなくてはスライドするのが上手くいかない。日頃からおこたらない"肉球お手入れ"が功を奏したようだ。美を追求するのも、身体のしなやかさを保つのも、飼い主が執筆作業を続けるのも「毎日コツコツと進める」ことが大切なのである。

そして偶然の産物がもう１つ。
飼い主が外出先からそのままソファにぱたりと倒れ込み、数時間起き上がってこない日があったのだ。飼い主が帰ってきた嬉しさで吾輩はソファにうつ伏せに寝ている飼い主の背中に乗ってみたのだ。
「起きて……疲れてる？」と飼い主を起こすつもりで、飼い主の背中をモミモミしていたら

「バニちゃん、ありがと。マッサージが上手ね。肩甲骨の辺りに肩こりのツボがあるの、もう少し右に移動してみて……」
飼い主を起こすためにモミモミしたつもりが
吾輩の猫足🐾で人間殿の肩こりを治すマッサージが出来ていたとは！

これでまた１つ、飼い主に恩返しが出来る！
しかも飼い主の大好きな肉球で、「猫足ヒーリング」までできていたのだ！

ベットで眠らないと疲れが取れないよ。朝までゆっくりおやすみ。明日も晴れるといいね！

　　　　　　　　　　《　続く　》