「蜂蜜色のアップルパイ〜黒猫のバニラ物語〜#3」"香箱座りが好きな理由🐈‍⬛"

「バニラ 香箱座りをす🐈‍⬛🐾」

飼い主の家で二人暮らしをはじめて、変化したことがいくつかある。

🐾 1つめは、3度の食事の心配をしなくてもよくなったことである。公園のベンチの下で暮らしていた頃は毎日の食事にありつけない日もあったが、今では飼い主が3度の食事を用意してくれる、とてもありがたい環境になった。
なので吾輩のために飼い主は今まで以上に懸命に仕事をしてくれている。飼い主のために吾輩も飼い主に出来るサポートが他にはないかと、探している毎日である。

🐾 2つめは吾輩の座り方。公園で暮らしていた頃はぐっすり寝ることもなく、常に周りを警戒しながら暮らしていた。
だが飼い主と２人暮らしをはじめてからというもの……
リビングのガラス窓を通してベランダから差し込むあったかいお日様の光。トナカイ柄のブランケットが敷かれたふかふかソファの吾輩の指定席。飼い主が文筆中に打ち込むWordのキーボードの心地いい音。飼い主が作ったフラワーアレンジメントのお花の香り。吾輩の五感を充分に満足させてくれる環境はとてもリラックス出来る幸せな空間なのである。
なので吾輩の座り方にも大きな変化があったのだ。飼い主のリビングでの吾輩は、前足、後ろ足を折りたたみ、お腹の下に4本の足をしまい込む。いわゆる「香箱座り」という座り方だ。吾輩はこの「香箱座り」は飼い主の前だけでしかしない。完全に気を許し信頼感をよせている相手の前でしかしない座り方なのである。

飼い主のiPadで見たYouTubeで見たのだか、「世の中の猫殿の香箱座りの姿がかわいいすぎる💚」という動画をあがっているのを目にしたことがある。吾輩達はリラックスしている時にしか「香箱座り」はしないのだが、この姿が世の人間殿に喜んでもらえて、癒しになるなら猫冥利につきるし、この上ないことなのだ。

リビングの窓から見える空の色が、ダークグレーとオレンジ色の夕闇みに染まる。そろそろ飼い主のパソコン前に移動することにしよう。

「お仕事終わりの時間がきたよ、無理しすぎだよ」
朝からパソコンの前で画面とにらめっこしている飼い主。キーボードの上で「香箱座り」をしてみよう。飼い主は仕事で疲れているだろうから、エネルギー補給と癒しができるといいな。