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試奏の感想(ごく個人的な)
新しいフルート購入前、何度か試奏をさせてもらいました。
試奏したのは、基本的には総銀製のフルート。
メーカーはヤマハ・サンキョウ・パウエル・アルタス・ヘインズ・ナガハラなど。
なかでも、特に気になったのが、アルタス・ヘインズ・ナガハラでした。
楽器によって色々違っておもしろかったので、試奏して印象に残っていることを、書いてみようかと思います。
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〈アルタス〉
日本のメーカーですが、これまで吹いてきたムラマツとは、かなり吹奏感が違うなぁと。最初はすごく吹きにくいとさえ感じました。
深く吹き込むと、吹き込んだ分、深みのある音色を感じる。少し暗めで、重みのある音を出せる印象。スケール (音程)もムラマツとけっこう違うように感じました。
すごく雰囲気のある音色で魅力的。
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〈ヘインズ〉
アメリカのメーカー。
とりあえず、吹きやすいという感想。
やさしく、まるーい音。ムラマツで吹いている通りに吹いて、気持ち良く吹ける楽器だなという感じ。
この感想を、とあるフルート奏者の方にお話ししたところ
「ムラマツ吹いている人は、ヘインズ吹きやすいっていう人多いよ。もともとムラマツは、ヘインズのフルートをお手本に作っているから、似てるところが多いしね」と仰っていて、へぇ…と思いました。
吹きやすくありつつ、今のフルートより、ぐっとふくよかな響きで、こちらもかなり心惹かれる。
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〈ナガハラ〉
アメリカのメーカー。
ナガハラは、以前ついていた先生が使われていて、ずっとほのかな憧れを持っていました。
吹いてみると、息がすーっと入り、広がっていく感じ。個人的に、ちょっとびっくりな吹奏感で、広くない試奏室でも、太くて豊かな音色だと感じられました。
店員さんも「ナガハラは遠鳴りがするので、ホールで吹くとより一層良いですよ。オススメです」と仰っていました。
ちょっと気になったのは重さ。
ナガハラは管体が太いようで、手に持つと今使っているフルートより重い。(フルートの重さも、メーカーや素材・仕様によってさまざまで、けっこう差があるようです)
それゆえ豊かな音が出るのだろう、とは思うものの、後で重さがつらくなるかも…と少し心配。
あと、知り合いの方に、ナガハラフルートの修理が必要にな時、ボストンまで送る必要があった…という話を聞いたことがあって。修理のレベルにもよるだろうし、そうそうはないでしょうが、そんなことになったら大変。
これまで日本が誇るフルートメーカーを使ってきて、調整も直営店でしてもらえたことを考えると、国産の方が良いかしら…という気持ちもちらり。
しかし、それらを考えても魅力溢れるナガハラの吹奏感。
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以上の3本にまで絞れたものの、その中から1本を選ぶというのが、どうしてもできない。どれも、それぞれに素晴らしく、選びきれないのです。
…ということで、最後の試奏にはアドバイザーとして、親友のクラリネット吹き(アマチュア)を召喚。
最終的に、彼女の「断然!! ナガハラ!! 音が全然違う」という言葉に背を押されて、決断することができました。
(彼女は同時に「ナガハラ以外でも、今のフルートより、どれもずっと良い音だと思うよ」とも言っていましたが…)
迷いに迷いましたが、なんとか決めることができてよかった!試奏は楽しく、勉強になりました。
なお、ここに書いた、各々の楽器に対する感想は、あくまで個人的な印象をもとにしていますので、悪しからず。