何故言わなかったの?
私は小さい頃いつも成績が悪かった。
私より下の子は数名だった。
いつも外で泥だらけになり走り回り、家に帰るとすぐに足を洗うように言われた。
男の子のようにザリガニやカエル、トンボ、カマキリを捕まえては持ち帰る事もしばしば。
カマキリの卵ってフワフワした感じだった。これが卵❓どうやって産まれるの❓興味深々。
もちろん、そう思えば持ち帰る!
母にも自慢気にとって来たことを報告。母は特に何も言わなかった。
カエルの卵。カエルから想像できないその形。これから産まれるの❓
そう思えばやはり家に持ち帰る。
卵はいずれ孵化する。
もちろん、カマキリの卵も、カエルの卵も孵化した。
ある朝、部屋はカマキリの赤ちゃんが沢山床を這っていた。
カエルはおたまじゃくしから足が生えて、可愛い‼️と思っている間に家の中を跳ねていた。
カマキリは外に出た子もいたが潰してしまった子もいる。
カエルは部屋で干からびてしまった子もいた。
部屋中にカエルやカマキリがいっぱいいる状況‼️
私が親ならきっと頭から火を噴いて怒っていたと思う。
しかし、母はその状況でも「可哀想だからもう連れて帰ってくるのはやめようね!」というだけだった。
それ以後、カエルもカマキリの卵も持ち帰る事はしなかった。
小学校に入っても「自分の名前も書けなかった」と母が後に言っていた。
本や漫画さえ読まず、勉強ができるはずもなかった。
身体を動かす事、何かを作る事は人並みにできた。
しかし、母は内心大丈夫かしら?と思ったこともあるらしい。
でも、私は勉強が嫌いと思った事は無かった。
卵を孵化させてしまう、勉強もできない子だったが両親は「勉強しなさい!」と私に言った事は無かった。
そんな両親に育ててもらった事に感謝する。
今でも勉強は出来ないけど、嫌いでは無い。
「何故勉強しなさい!と言わなかったの❓」と大人になってから聞いたことがあった。
母は勉強しなさい!と言ったらやった❓
う〜ん!どうだろう?
母は【やりなさい!と言ったらきっと反発して余計やないから言わなかった‼️】と言っていた。
そのおかげで、出来る出来ないは別にして勉強を嫌いにはならなかった。
興味のあることしかやらないできたが、楽しく学ぶ事ができた事は私の人生にとって大きく影響した。
仕事しながら大学で聴講生として勉強したり、興味ある事を学ぶ機会を持つ事ができたのも「勉強=嫌なもの」ではなかったからだ。
自分が親だったら❓
絶対無理‼️
「勉強しなさい!」と言ってしまいそうだ。
今の自分がある事に感謝しつつ遠い昔の思い出が蘇る。
笑って言える事に幸せを感じる。
その時の好奇心を潰さず育ててくれた両親は私の1番の理解者である。