【出産の記録#1】妊娠高血圧症候群①
注)医師の説明文などは、医療的知見を持ち合わせていない妊婦(患者)が説明を受け理解したままの内容で綴っています。事実と異なることもあるかもしれません。ご容赦頂ければ幸いです。
37週5日の妊婦検診で妊娠高血圧症と診断されました
妊娠37週。生産期に入って初めての妊婦検診。不妊治療の末の妊娠。色々不安もありましたが、大した問題もなくお腹の赤ちゃんはすくすくと成長してくれていました。
あと数日で出産。僅かな高揚感を持って臨んだ診察でした。その日担当の女医さんは、私の尿検査の結果を見ながら「尿蛋白が++かぁ。今まで1度もなかったねぇ。血圧は上が138……」と呟き、助産師さんに「尿蛋白の詳細のデータをもらってください」と指示を出しました。
「なにか問題があったのかな……赤ちゃんは大丈夫?」診察用のベッドに寝転びながら、なんだか不穏な空気を察知して、気持ちがソワソワしてきたのを覚えています。そんな私の様子をみてなのか、エコーを写しながら先生が「赤ちゃん頭が大きめだねぇ。もうお産の準備のために顎をひいているような姿勢になってるから、今日はお顔は見えなさそうだね、臍の緒をマフラーみたいに巻き付けてしまっているけど、普通分娩で大丈夫なかんじ。産むときにサポートして出してあげましょう」と優しく声をかけてくれました。
さらに続けて「頭痛があったりする?目がチカチカすることはある?最近むくみが悪化したとかある?」といくつか気になる質問されました。当時の私は確かに頭痛が以前よりも酷く頻繁になったし、視界がチカチカして眩しいような見えづらいような違和感もあったし、以前は足だけに感じていたむくみを全身で感じるようになり結婚指輪もはめられなくなっていたこともあり、「はい」と何度も肯定の頷きを繰り返しました。
先生は問診を終え、診察の最後に「今日は血液検査をして帰ってください。もし、尿検査の詳細結果と血液検査の結果次第では、今日中にお電話するのでいつでも入院できるように準備しておいてください」と仰いました。さらに「特に何もなければまた2日後に来てくださいね」と付け足すように告げられ、私はなんだか落ち着かない気持ちのまま診察室を後にしました。
こういうのって電話くることないよね……
突然のことで、びっくりしたというのが率直な感想でした。とはいっても「悪かったら連絡します。何もなければ連絡しません」という状況、そう連絡がくることはないだろうとどこか楽観的に考えていました。
そんな期待も3時間あまりで打ち砕かれることに。「尿蛋白の検査の結果、赤ちゃんを早めに出してあげないと母体が妊娠に耐えられなくなってきています」電話越しで先ほど診察をしてくださった先生に淡々と、でも優しく説明されました。「誘発をして分娩をしましょう。明日の朝一で入院の手続きができるように手配するので、9:00までに来院してください」
先生のお話をききながら、足先がさぁ……と冷たくなっていくのを感じ小さく震えました。
とりあえず旦那さんへ連絡を……
先生との通話を終え、とりあえず旦那さんへ経緯を説明することに。「電話できるタイミングがあれば連絡ください」とLINEを1言旦那さんへ送ると、数分後に電話がかかってきました。
「明日から入院だって。誘発をして分娩をするから明日か明後日に出産することになるみたい……、明日は会社を午前休か休みをとってもらって、一緒に誘発の説明を受けてもらいたい」そう旦那さんへ伝えました。
旦那さんも驚きを隠せないようでしたが仕事中ということもあり、1言、2言交わした後に冷静に「わかった」と電話が切られます。
私は旦那さんの声を聞けてちょっと安心できたのもあり、入院準備しなくちゃ……と中途半端になっていた荷造りを進めながら何度も「妊娠高血圧症」「尿蛋白」と検索を繰り返し、さまざま出てくる最悪な結果に泣きそうになるのをぐっとこらえ、お腹に手を当てながら「もうすぐ会えるね。あとちょっとお腹のなかで頑張って」と赤ちゃんに伝え続けました。
入院前夜は変わらないルーティンを
旦那さんが帰宅してから、今日病院で聞いた話を報告しました。「目がチカチカすること」「頭痛が続いていること」「むくみがひどいこと」とあわせて旦那さんが独自に調べてくれた「頻尿・多尿なこと」も妊娠高血圧症の症状だったのかも……と最近の私の体調について話しました。「突然体重が増えたこと」ももしかしたら関係があるのかもしれない……なんて、それっぽい症状がいくつも思い浮かびます。そんな不安を列挙しているうちに私のなかで生まれてきた気持ち「今晩なにかあったらどうしよう」という恐怖心。明日入院したら安心な気がするけれども……今日何かあったらお腹のなかの子を守れないかもしれない……とただただ怖く感じました。
そんな私に旦那さんは「大丈夫。そんなに急なことだったら今日入院するように言われているはずだから」と優しく諭してくれました。そして、入院したらできなくなるからと2人で最近の就寝前ルーティン「マリオブラザーズ」をやろうと誘ってきます。「そうだね。退院したら実家帰る予定だから1ヵ月くらいできないもんね」。無心でルイージを操作しながら彼の操作するヨッシーにまたがり、バシバシ攻撃を繰り返し、聞き馴染みのある効果音を耳にしているうちにだんだん気持ちが落ち着いてきました。
私は明日出産するんだ。私は明日お腹の子の親になるんだ。人生で1番大変な1日がきっと明日なんだ。そんな決意を固めながらも、大丈夫、大丈夫。絶対大丈夫と言い聞かせ、無心でルイージを走らせました。
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