第55話 やってみたくても
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透析に使うパジャマとタオル類をバックにドサッと入れて、名古屋の地下街を急いでいた時の話です。
いつもの速さでスタスタスタスタ!!
地下街を通り抜ける時でした。スーツを隙なく着こなした紳士が、地下街の人を観察していました。(なんだあれ?目立つ人。何してるんだろ?)
あ!ヤバ、目が合っちゃった。知らん顔して通り過ぎよう。
スタスタ!!
グイッ!!腕を捕まえられました。
「すみません。目薬の会社の者です。今、お時間ありますか?」
「すみませんが急いでますので。」
「目薬のCMに出てくれる人を探していて、どうですか?出てもらえませんか?!」
「すみません。私は障害者でアレルギー体質なので、できません。」
驚きの表情をされ、そして気落ちされました。
私は医師が処方してくれた薬しか飲めないのです。市販薬は絶対に買いません。医師が処方してくれた薬でも、薬剤師さんに確かめるほどの怖がりです。医師の薬剤ミスは二度とごめんですから。
養護学校時代から勉強で視力は落ちていましたが、買うならコンタクトレンズではなく眼鏡を選ばないと危ないです。
目薬のCMだなんて、もっての外!
綺麗にメイクされてCMに出るのは魅力的ですけど、体内に市販薬を入れるのは駄目です。
(気落ちするのは私の方だし。でもなるほどねー、それで人を観察してたんだ!)
当時の私は目が濁ってなくて綺麗でした。段々に食べ物のコントロールである、リンとカルシウムの体内バランスが難しくなり、濁ってくるのですが。。
申し訳ないけど、私は協力できない事です。
あれ?目のタレントさんて居るよね?何で探してたんだろ?それにしても、びっくりした。探すのも目が疲れるだろうに。医療業界くらいしか知らないからな。どこも大変なんだなー。
また地下街をスタスタと歩きながら不思議に思うのでした。それからその紳士を見かけたことはありません。見つかったかな?それならいいけど。家でテレビを見ながら、ついつい目薬のCMを興味深く見る癖が暫く続いたのでした。
ん?目薬の中身、水にしてくれればやるけど(笑)なんてね!だって俳優さんて、お酒飲むフリしてるんでしょ?フリなら大得意だよ!(笑)
面白かったね。
自分がスカウトされるなんて、いい経験できたね。
両親に感謝しよう。
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