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第138話 自尊心ズタボロ事件と深い感謝

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2010年4月のある日です。
遂にやらかしてしまいました。

私には当時、小腸からの人工肛門イレオストミーがあり、それが透析中にパウチから漏れてしまったのです。
透析中にブザーを鳴らし、血液を回収してもらい透析を中断です。

透析回路を腕のシャント(透析の為の血管)近くでロックし一時中断、消化器病棟の処置室へ車椅子で向かいました。
服はパジャマも下着も漏れた便でビタビタです。
凄く気をつけてたのに。
臭いと漏れたショックで自尊心がズタボロに。

(透析室は隣にカーテンも無く、50床が並んでいます。何もかもが筒抜けでプライバシーはありません)

泣きたい気持ちを堪えて、処置室で自分でパウチ交換です。
しかも自分専用のパウチを用意してなかった為に、ラテックスアレルギーでゴム製品は駄目なのに、ゴム製品のパウチを張り付けなければいけなくなりました。

泣きっ面に蜂です。
心を落ち着かせながら交換用具を用意してもらい、病衣も借りて交換です。
(こんちくしょう!!!本当にもう嫌!)
ストーマ(人工肛門)閉鎖手術をしてもらおうと、強く思った事件でした。

中断時間は40分近くかかり、透析を再開し透析終了が延びてしまいました。透析時間を短縮は出来ないのです。
ゴム製品のパウチは、自宅に帰ってから自分専用のものに張り替えました。

そんな事件は1度で済んだのですが、永久ストーマで透析もしている人を思いやる気持ちが出来ました。
何でも経験してみるものです。

ハナトラノオ
コンビニ近くの畑に咲いていました。

電車で兄と妹との日帰り小旅行をしたり、ストーマがあっても楽しんでいました。

ある日の夜、小児外科時代の赤ちゃんの頃からの主治医だった長屋先生の夢を見ました。
もう愛知県心身障害者コロニー中央病院の院長も引退されているはずです。
起きてから長屋先生の顔をたくさん思い出しました。

院長時代に私が18歳の頃に初めて書いた詩を、先生宛に送った事があり、その後に院長室を訪ねたら私の詩を額に飾ってくれてありました。
長屋先生「涙が出た。」
と言ってくれました。

その詩をここに書いておこうと思います。


題名「ぽ・ぽ・ぽ」

ぽ・ぽ・ぽ
明かりが    ともる
大丈夫    前を見て
私が歩く所は    暗闇じゃない

ぽ・ぽ・ぽ
明かりが    続いてる
大丈夫    こっちだよ
明かりの中から    手が見える

ぽ・ぽ・ぽ
明かりが    増えていく
大丈夫    ここまでおいで
私が歩けると    信じてくれる

ぽ・ぽ・ぽ
明かりが    温かい
大丈夫    もう少しだよ
私は    一人ぽっちなんかじゃない

ぽ・ぽ・ぽ

ありがとう


拙い詩を読んで下さり、ありがとうございます。
病むとは孤独で、暗闇に感じてしまいますが、決して1人ではないことと、心を開けば沢山の人が手を握り助けてくれる事を、これからも忘れないで生きていきたいと思います。

心を開くことを恐れない。





ストーマ漏れて、また経験値上がった!
優しくなれたね。
でもね、泣いていいんだよ。
これくらい大丈夫!って思って泣かないから。
傍にいるから泣きにおいで。

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