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第36話 出来心のリストカット

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同じ病棟にリストカット(手首を切る=自殺未遂)をしている子がいました。

暗闇を手探りで歩いている様な人生と感じている子達ばかりなので、そんな話もあるわけです。

身近にあったので、私は本気ではなく軽い気持ちで、カミソリで自分の手首を切りました。傷さえ残らないくらい浅く。
本当に出来心ていうやつですね。

まだまだ未熟者です。影響を受けやすい所があるようでした。
駄目なものは駄目!無理なものは無理!嫌なら嫌!と言えなかった。
あとは病人同士の仲間意識が欲しかったのもあった。
自己憐憫て良くないですね。
成長を止めてしまう。

ノースポール
3月の終わり頃、モコモコに大きくなってました。

リストカットした夜中でした。
金縛りになりました。
目を開けてみると幽霊の誰かが私の胴体に乗り、私を何度も往復ビンタ!!痛くなくても、ビンタされてるのが分かります。
左右の両手をがっしり掴んで固定している着物姿の女性が1人ずつ見えました。

(誰だ!!!)
睨みつける私。
幽霊を見るのは人生で2度目。
全く怖がらないどころか、睨みつける気の強さ(笑)
ですが、誰だか分からないまま、金縛りは解け幽霊は去りました。すごい汗が出ていました。

外泊して家に帰ってきた時です。何気なく仏間に行きました。そこで見上げた写真は、父方の祖父母。

(!!あの幽霊だ!!同じ服!お爺ちゃんとお婆ちゃん!)
父方の祖父は再婚していて、祖母は2人います。祖父は保育園頃に亡くなっていて、祖母は産まれる前に2人とも亡くなっていて、記憶は0に近いです。

びっくりしたまま病院の自分のベッドに帰ってきてから反省しました。
(ごめんなさい)
衝撃でした。まさか、、見てるとは。
それから、リストカットをもちろんしなくて、心の中で祖父に話しかける時や
「ねえ?お爺ちゃん」
と同意を求めるように言う時があるようになりました。

本当にそこに居る。見えなくても。
独りだと思ってた所がありましたが、見ててくれてるという不思議な安心感と、少しの畏怖がありました。


ご先祖様を辿ると、凄い人数になるよね。
繋がって、繋がり続いて私がいる。
不思議な感覚。
自然と感謝の心が少し湧くようになりました。

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