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第85話 繰り返すシャント手術と親からの言葉

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献腎移植の登録を削除してもらい、変わらず透析の日々です。

そんな日々に1週間に4回シャント手術した時がありました。
手術をしても血流は戻らず、精神的負担と体力的負担が増しました。

最後の4回目は、医師がもう体力的に無理だろうとの判断で、全身麻酔での手術になりました。

目が覚めると母がいました。
私は母に泣きながら言いました。
「もう、手術したくない。」
「なんであなたばっかり。。」
と母も泣きました。

でも私はその言葉で親に失望したんです。
(なんで私の腎臓あげるって言ってくれないんだろう?こんな泣いて言ってるのに。。クローン病はストレスだって良くないのに)

ピンクのジニア
ジニアは百日草のことです。ピンクもいいね!

そうなんです。シャント手術を繰り返してれば、クローン病だって悪化して当たり前。

私の中で、もう1人の私が泣き叫んでいました。でも、私はどうしてあげることも出来ない。
透析を止めることも出来ない。
献腎移植も出来ない。
逆縁も私には出来ない。

親に失望する中で、体は回復し病棟の廊下を歩いていたら、同じ病棟の入院患者さんに声をかけられました。
「よくあの部屋から出られたな。皆、出られずに逝くのに。」

(死んでたまるかよ。まだ若いんだぞ。それ褒め言葉?やってられない。早く退院しなきゃ)

どれだけ親に失望しようと、親は親。私の親なのです。医療ネグレクトをした事なんて無いですから。ちゃんと熱が続けば入院させてくれたし、診察もちゃんと連れていってくれた。ここまで。。

負け戦を繰り返そうとも、私は私を捨てませんでした。ここまで助けてくれた医療従事者の皆を、裏切る事は出来なかった。

出来ないことずくしでした。

退院してみれば白髪がたくさん増えていました。
それまでは数本ある程度でしたが。あんな苦労と思いをすれば当たり前ですよね。

退院後に妹が増えた白髪を抜いてくれました。
妹は、手術後の腕の消毒もよく手伝ってくました。家族の中で誰よりも私の生々しい傷の数々を見ています。
きっと私は、この先の人生で出来る限り妹を守ることでしょう。

こんなに大切にしてもらってても、心も傷だらけ。


幸せなのに、疲れちゃった。



この体で生きていくって決意してても厳しいね。
よく1週間耐えたよ。
もう無理に笑わなくていいんだよ。
1人で夜中に声を殺して泣かないで。

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