第102話 血管がない
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手術は上手くいかず、傷は回復してきても良くなってる訳ではなく。
点滴で命をつないでいて、腹水は3kgあるために血管内の水分が腹水へ流れ、いつも血管が脱水状態でシャント閉塞。
シャント手術しても透析後に閉塞を繰り返していた。
手術後にその状態は悪化していた。
パンツをハイレグにさせられ、テープで固定。足の付け根の静脈から太い針(ダブルルーメンカテーテル・5mmくらいかな)を入れて、透析しようとするものの血管脱水してて入らず。
ダブルルーメンカテーテルとは、静脈からだけで透析をする為の管で、1本の管の先は二股になっており、血液を取り出す側と浄化した血液を戻す側がある管です。私は高校生の頃からよく使用しています。
次は首の頸静脈から、ダブルルーメンカテーテルを入れる。何とか入ってくれた。
私の両足の付け根と首の左右には、ダブルルーメンカテーテルを入れた痕が何個か残っている。何度も刺していて、血管が硬くなり始めていて刺し直し困難なのだ。
透析開始までに手術にカテーテルに合計2時間格闘。
医師も私もすでにクタクタ。
透析中にも生理食塩水をダバダバ入れながら透析をする。透析回路が脱水で固まらないように。
そして何とか透析終了するも、部屋にベッドごと帰ってきたのは、24:00という地獄絵図。
もちろん、食事なんて無い。
絶飲食で水も無い。
そして生理食塩水は腹水へ流れ、増えていくという負の連鎖。
毎日8.5度以上の熱を2回出していて、ガクガクブルブル熱の寒気に震えながら透析を受け、熱が上がりきったら解熱剤を飲むか、座薬を入れるか。
点滴はダブルルーメンカテーテルから入れていた。毎日の薬も口からではなく点滴から入れていた。
小腸造影の痛みよりはマシだが、かなりの極限状態なのは、お分かりいただけるだろうか。
熱が引いてる間に、妹や友人の面会をしていた。
まだ歩けていた。
クローン病だけの友人は、首からの透析写真をmixiにアップすると、かなりびっくりしていた。透析というものの実際を知らなかったのだ。
「今までの辛さがちっぽけに思えてきた」
と言ってくれる人もいた。
神頼みをしてくれる人もいた。なのに当時の私ときたら、他の神様の御守りは貰えない。喧嘩するから。と御守りを断った馬鹿であった。
色々な神様に守られての今があるのにね。
申し訳ありませんでした。
尿が出ないので長く絶食でも、高カロリー点滴を入れる事もできず、透析する為と熱発で体力は削ぎ落とされていった。
もう一度言うね。
なんでそんなに頑張れるの?
死に憧れがあるよね?辛すぎて。
笑って面会に対応するの凄すぎるよ。
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