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第148話 私の心の密やかな思い 1

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クローン病の手術も全て済み、体調が回復してきていた時でした。
透析の血管であるシャントが又も閉塞し、手術を受けました。(書いてない手術はいっぱいあります)
その手術中ずっと手術している腕の反対の腕を、握っていてくれた看護師さんがいました。

その看護師さんを私は看護学生だった頃から知っていて、古馴染みの大切な人です。
手術中に腕を握ってくれているのは有り難くても、その看護師さんは第1透析室の主任であり、忙しい身なのです。

私「いいから、仕事に戻って」
何度言っても最後までいてくれました。
医師もその様子を何も言わずに黙々と手術をしてくれていました。

その看護師さんは背はそれほど高くはないのですが、かなりのイケメンで思慮深く優しくありながら、行動力と判断力に優れた人でした。

黄色のランタナ
何となく看護師さんに似ているような。

看護師さん「お華坊ーー!」
若い頃は私を見つけると駆け寄って来てくれました。いつの間にか「華ちゃん」に格上げしてくれましたね。

看護学生から看護師になり、病棟勤務や手術室勤務、透析室勤務もこなしてぐんぐんと立派に。50床の第1透析室の主任にまでなっていくのを、私はたまに入院したり透析に通う日々に見てきました。

その看護師さんから体当たりの言葉をもらいました。
看護師さん「愛でしょ!愛!」
言葉がでません。
ですが思ったのは(長い絶食治療を頑張るとこんなご褒美があるんだ。。)。

現在透析中にこの文章を書いていますが、血圧は180あります。手が震え痺れを感じながら緊張し、素直になりさらけ出す!と思い書いています。

その看護師さんからのアプローチは続きました。
私は赤ちゃんの頃から度重なった手術で、臓器同士の癒着が酷く妊娠さえ許されない体です。
(普通の人は癒着が無いので、妊娠して胎児が大きくなる時に臓器がどいて場所をつくりますが、私はベタベタと臓器同士がくっつく癒着があります)

長く悩みました。
どうみてもその看護師さんが良い父親になるだろう事は、丸わかりです。私には父親にしてあげられないのです。
そして色んな事を天秤に掛けました。

・その看護師さんの妹や弟が結婚し、子供ができても私はそれを身近で祝って、傍にいられるのか?
・成長を見続けることができるのか?
・肩身の狭い思いはしないのか?
・生理が来ても妊娠出来ないことに毎回ズタズタになりながら?
・病院でも家でもこの人(看護師)をみていて、息苦しく感じないか?
・それでも、この人と手を繋いで歩いていく勇気はでるか?

あらゆる事を思っていました。





怖くて仕方ないんだね。
とても時間のかかった自分の心の問題。
ご褒美って思ったのにね。
でもね、ズタズタの心を一生懸命修復しながら歩いてきて、それだけで凄いことだよ。

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