第44話 研修旅行と心の深部
前の記事です▼
専門学校の皆で大型バスに乗り、研修旅行です。
楽しみなのですが、大問題があります。
私には管が3本あります。皆をびっくりさせてしまいます。
先生に相談し、先生用のお風呂に先に入らせてもらう事にしたんです。
本当は皆と入ってワイワイしたい。何でも分かち合えたらいいのに。
でも、難しいことです。気分を盛り下げたくないんです。
全部を見せることは出来ませんでした。
あと、びっくりした事がありました。
皆でお布団を敷いて、シーツをセットするんですが、シーツをセットする事が出来ない人ばかり。
皆が母親任せだった事がわかりました。
私は愛知県心身障害者コロニー中央病院の小児外科に入院していた時に、自分のベッドのベッドメイキングは自分でやらせてもらっていたのです。看護師さんがパパッとしていくのを覚えてたので。
自分で出来たものに寝るのは、満足感と充足感もあり、とても気持ちいいものなのです。
(みんな、お母さんになったらどうするのかな?)
不思議でした。
「やってー!♡」
と言われ、一人の子をやりながら皆に教えましたが、覚えられず諦めてしまい、シーツをかぶせるだけでそのまま寝ている子が沢山でした。
皆、お嬢様なの??
夕ご飯はローストビーフ!とっても大きなお肉をシェフがスライスしてくれて、お皿に乗せてくれました。初体験です。美味しかったです。
どうやら研修旅行では、皆の仲間意識とか団結力とか、そういったものを高める為のものだったようです。
夜は舞台でグループになり即興で演し物をして、楽しさを競いました。
健康な皆と混じって居られている不思議さと、緊張感がありましたが、楽しんでいられる自分につかの間の自由と受け入れてもらえてる安心感がありました。
もちろん、お風呂を別にしたのが良かったと思います。
寝る前は、女子同士の会話の時間です。
養護学校では、1泊の京都・奈良へ修学旅行へ行きましたが、そこでも女子同士の会話がありました。
会話は似たような感じで、悩みや希望は病気有る無し関係ないものがほとんどだったんです。彼氏がほしいけど、自分に自信が無いとか、素敵な子にどうすればいい?って聞いたりしてましたね。
私はずっと耳をかたむけ、皆の会話を楽しみました。私には管がある。だけど、中ちゃんみたいに優しい人を見つければいいだけだ。
そうです。私の心にはずっと変わらず中ちゃんがいました。
私のことを好きになってくれる人もいましたが、魅力的に思えなくて。ちゃんと向き合うことは出来ないでいました。
心に深い深い癒せない傷がある人を、魅力的に思うみたいです。私は今も独身ですが、一緒の方向を見て手を繋ぎ歩いて行ける人が、見つかるといいなと思います。
一見には障害者には見えない人、見せない人、たくさんいるよね。
笑顔の中に何を持ってるのか、よく話さないと分からないよね。
いつか、信じて明け渡すこと、できるといいね。
次の記事です▼
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?