第11話 母の哀しそうな顔
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話が前後して申し訳ないです。
私がよくしていた検査は、尿道に管を入れ、そこから膀胱へ造影剤をパンパンにいれて、どれだけ逆流するかを調べる事です。
10歳くらいの時でした。私は検査後に父と母が待つ所へ、駆け戻りました。
痛かったよー!
と母に言いながら抱きつきました。
その直後に母の顔が哀しそうな顔をしたのを見た私は、それ以上は言えなくなってしまったんです。
それから、私は病気上で殆ど苦痛を親に言わなくなったのです。
親の代わってあげられない悲しさ、やるせなさ、を私は表情から読み取ってしまった。。
それからは検査が終わってから、終わったよーと言う程度で、心の辛さを言わなくなったのです。
何とも苦しく、自分もやるせなく、更に自分を追いつめ闘う事になるのですが、母のあの時の顔はもう見たくなかった。
平気なフリ、大丈夫なフリをするようになりました。
心を閉ざした訳では無いけれどね。
もちろん自宅で痛みなど、緊急性のある場合は言いますが、辛い検査はいつもの事。
いつもの事なら、言わなくなった私でした。
まだ十分に子供なのに、そんなに早く大人にならなくていいのにね。
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