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第86話 私の強行手段

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どれだけ手術しようと、腎臓あげるとは言ってくない親に失望した私は、強行手段にでました。
両親に生体腎移植の為の検査を受けてほしいとお願いしました。

両親は検査をしてくれました。
「50ccも血を採られた」
と父はニヤリと笑って私に言いました。

生体腎移植の為の検査とは、クロスマッチ検査(抗体があるかどうか)です。

型がある程度合っていないと、難しいのです。ですが、親ですから合うはずなんです。

検査結果が出て、私だけが診察室に後で呼ばれました。医師に告げられました。
「型はご両親とも合いました。ですが、お父さんは仕事が休めないと断りました。お母さんはお金が無いと断りました。」



絶望

生体腎移植なら、クローン病が落ち着いてる時に移植できる可能性があって、できるのでは?と思ったのに。。

父は昔「勉強の為ならいくらでもお金出す!」と言ってくれました。だから、感謝して専門学校に行きました。

なのに、、移植には。


腎臓が人間に2つある為に、こんな悩みを抱えるとは。

もういい、何も望まない。
疲れた。
医師には頷いただけで、部屋を出ました。

臓器移植という、人間の最終手段をとらなきゃいけない辛さと悲しさ。
親の私への愛の疑いを持ちざるえません。

トンチンカンを通り過ぎてる。

この愛って何?


両親への自分の愛も、分からなくなりました。
どこまでもずっと血液透析を続けていくんだ。手術を繰り返して。
泣くほど辛いのに、それをやっと表に出せたのに。

何もかも自分の思いを封じ込め、グルグル巻きにして心の奥底に沈めました。




私、自殺するかもしれない。


初めてそう思いました。
限界を超えすぎていました。


もう自分を保てなくなりました。



検査を受けてくれたのに、この答えだとは思わなかったよね。
でもずっと、腎移植の話をしてくれなかった両親を不可思議に思ってたよね。
お願い、お願い、死なないで。

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