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第149話 私の心の密やかな思い 2

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クローン病の手術を全て済み、回復期に古馴染みの看護師さんから、愛のアプローチを受けました。

覚えてないのですが、私に迷いがありすぎ不用意な言葉を言ったらしく、看護師さんが私が受け入れたと思ってしまいました。困ったことになりました。

当時(37歳くらいでした。看護師さんは2つ年下です)の私は大切であればあるほど、素直になれず遠ざけるのです。親にさえ奥底の思いを言わずに生きてきた事も関係しているかもしれません。

妊娠さえ許されない事も重なり、心の扉は長年使ってない蔵の扉のように重く分厚くなっていました。蔵の中で耳を塞ぎ、声に聞こえないフリをしました。
全て自分の心を守るため。
扉を中から開けて笑顔を見せることは出来ませんでした。

シラハギ
ご近所に見つけました。珍しいです。

私は当時お世話になっていた理学療法士さんを持ち出し、看護師さんを傷つけました。仕事ぶりを認めない言葉を言いました。

どれだけ看護師さんを知っていても、私の心に安心感は持てなかった。
どれだけ大きな心で見てくれていても、扉を開けて飛び込む事は出来なかった。
どれだけ手術に度胸と覚悟があっても、恋愛には持てませんでした。

看護師さんは若い頃に言っていた言葉がありました。
私「合コン行かないの?」
看護師さん「行っても見た目で選ぶから嫌なんだよね。」
見た目で選ぶことも選ばれる事も嫌なんですね。

子供を妊娠する事さえ許されないのを、辛く感じながら歩いていて、病院の階段で過呼吸をおこして倒れました。それほどに、私の心には負担が大きすぎました。
他の看護師さんに発見され、透析室に運ばれました。例により耳は聞こえていても、指1本さえ動かせれない状態です。

過呼吸が治まり目が開けれるまで傍にいてくれたのも、この看護師さんでした。

看護師さんはその後、同級生の看護師さんとお付き合いし、現在は父親になれています。
お華坊と呼ばれていた頃から(早く結婚したらいいのに、いい父親になれるのになー)と思っていた通りになりました。


8ヶ月の長い絶食治療中に、もし1度でもお見舞いに来てくれていたら、、違った?
信じてくれる愛というものを受け入れられたのでしょうか?
いいえ、違います。

全て私の天秤に掛けるものを変えなければ、意味は無いでしょう。






天秤にかけるものは変えられたから大丈夫。
他の看護師さんに後で何か言われても、揺らぐ気持ちは無かったね。
透析の血管を看護師さんが見ようとする時、問答無用で手首掴まれるの嫌だったね。
地震が起きたりする度に、被災地に行って自分の出来るかぎりの事をしてくる看護師さん。
無事に帰って来てくれる度に、ホッとしてるね。
今もずっと。
きっとこれからもずっと。

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