反共攻撃に反撃せず、松竹氏を「党攻撃している人物」という日本共産党の背景を考える


松竹氏の赤旗政治部長へのメールは23回の長い連載となったが、ラストは暴露記事。想定外でした。

事の発端は9中総で、名指しこそなかったが、松竹氏が権力と結びつきをもっていることが、赤旗政治部長より示されたと、書記局長が結語で述べたことから始まった。

これを明らかにせよというメールを公開するという話から始まったのだが、松竹氏を批判する赤旗政治部長の方が権力と結びつきがあるという事について、元共産党国会議員秘書の反共攻撃を赤旗や共産党の代わりに反論する過去記事を出しはじめた。正直、これにはくどさも感じたが、それを吹き飛ばす暴露となった。

松竹氏は、なぜ反共攻撃に反論せず、党の方針の発展を願う自分には執拗な攻撃をしてくるのかという思いなのだろう。

現赤旗政治部長(党中央委員)が赤旗記者時代に原発事故後の当時の民主党(政権党)の政調会議に潜入取材?していたことが民主党内で問題になり、上述の元共産党国会議員秘書が小沢一郎に頼み、事なきを得た。という話。

ここに小沢一郎が出てきたことでこの間の共産党の野党共闘しか道無しというスローガンに納得ができた。自衛隊の緊急時の活用を認める党方針は不破哲三が小沢一郎と対話の中で整理したことがきっかけと言われている。そして、安保法制廃止を求める国民連合政権構想が野党共闘に発展したのも、金権政治批判の対象者であった小沢一郎の地元岩手県知事選での連携があった。前回総選挙では立憲民主党公認だが、汚職事件後も議員を続けている中村喜四郎も共産党との選挙協力を後押ししていた。現在、連合会長の共産党連携批判に反論しているのも小沢一郎だ。

金権政治批判を引っ込めた理由を語らずに、野党共闘が進む謎がこんかいの暴露でよくわかった。多様性の時代、「共産党らしさ」を共産党に求めること自体、「逆ハラスメント」なのかもしれない。

松竹氏の除名につながる主張は、野党共闘で政策的にも立ち位置的にも埋没せず、野党共闘の推進と日本共産党の躍進を勝ち取るための党改革といえる。いっぽう、松竹氏を除名した党執行部は、「党と野党連合政権での立場は違う」で乗り切り、党改革によって組織を大きく減らさずに野党に売り込む作戦なのだろう。かつて新進党や自自公政権で、公明党・創価学会の組織力(マンパワーと独自機関紙発行)を知っている小沢一郎からすれば、共産党の魅力は上意下達の組織力としんぶん赤旗なのだろう。

党内の自由をつぶしている「民主集中制」を再確認し、何が何でも130%の党勢拡大、機関紙発行の危機に触れない党大会決議案は野党共闘のパートナーとしての魅力を示しているのだろう。

党執行部にはそういう「売党行為」を自覚している人もいるのだろうが、多くの党員は無自覚なのではないだろうか。松竹氏への支持・不支持にかかわらず、「野党共闘しか道無しの党運営」が本当に正しいのか、常幹声明や党幹部「論文」に頼らない民主的討論を期待したい。

しかし、そうならないような締め付けが、共産党内で行われているようだ。2023年は共産党の終わりの始まりになるのではないかという声があったが、そのような気配が漂っている。



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